夏の日差しはアスリートの天敵!日焼けと紫外線の付き合い方

紫外線対策はアスリートにも欠かせません。特に屋外練習では避けられない日焼けによるダメージを少しでも抑えるポイントを、アスリートの皮膚と紫外線の研究をされてきたニュー上田クリニックの上田由紀子先生に伺いました。

アスリートのための紫外線対策
チームで取り組み、一人ひとりの意識改革

プレー環境を考える

夏はナイター練習が好ましいでしょう。日中なら、地面からの照り返しを避けるため、天然芝のグラウンドがおすすめ。アスファルトや土は日光を反射します。標高が高くなると紫外線は強くなるので、山岳練習も注意です。
また雪の反射は特に強く、冬場、雪上でプレーする場合も紫外線対策が必要です。

+PLUS ONE
屋外競技の場合は、紫外線に徐々にカラダを慣らすことから始めましょう。
休憩時間をこまめに取り、室内に入りカラダを休ませることも大切です。

栄養を十分に摂る

夏場は、抗酸化作用のあるビタミンA・C・E(ビタミンエース)を多めに摂るのがコツ。緑黄色野菜や夏野菜、果物を積極的に食べましょう。水分補給で乾燥を抑えることも重要です。栄養不足は、紫外線によるダメージからの回復を遅らせてしまいます。

日焼け止めは「塗り方」が大事

首や肩は塗り忘れがちなので、服を着る前に、首や耳の後ろまでしっかりと多く塗ること。薄く塗ると高い効果が得られません。日焼け止めは、SPF50(紫外線のダメージを50分の1に抑える)でなくても構いません。帰宅したら、洗い流しましょう。

アフターケアは冷却と保湿

トップアスリートが特に注力しているのが、アフターケアです。冷えたタオルなどで皮膚を冷却することで、ダメージを回復できます。皮膚の乾燥は、体調不良につながるので、保湿もしっかりと行います。保湿液、化粧水なども冷やして使うと効果的です。

肌の露出を抑える

近年はUV カット機能を搭載したウェアや帽子、アームカバーなど様々ありますので、活用してください。目も同様に紫外線対策が必要なので、スポーツ用のサングラス着用もおすすめします。

日焼けは免疫機能低下の要因にも…。

日焼けは、一種の火傷です。体力を消耗するだけでなく、皮膚を痛めて、入浴やマッサージをスムーズに行えなくなるなど、コンディション作りを妨げます。呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、紫外線を浴びることで「活性酸素(暴れん坊の
有害物質)」に変化し各種の臓器を攻撃するため、免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなります。ニキビが目立つ、ヘルペスを繰り返すという場合もその影響が考えられます。
上田由紀子さん
横浜市出身。医学博士・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・日本体育協会公認スポーツドクター。 専門はスポーツ医学における皮膚科分野。 1984 年ニュー上田クリニック(千葉県浦安市)開業。 2001年国立スポーツ科学センタースポーツクリニック皮膚科を兼任。 DAA(アンチエイジング医師団)顧問。

※アスリート・ビジョン#10 夏号(2018)の記事を一部、再編し掲載しています。

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