白鷗大学男子バスケットボール部【注目チーム紹介 vol.56】

2023年の全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)では2度目の優勝。ディフェンスからの組み立てをベースに選手の判断を大切にするスタイルで、強豪ひしめく関東で輝かしい成績を残します。その強さの秘訣を、監督と選手、主務にお話を伺いました。

チームの価値観と行動指針に沿って自分で考え、自分で行動する

白鷗大学男子バスケットボール部

1988年創部。2012年に関東大学バスケットボールリーグ1部昇格。網野友雄氏を監督に迎えた2017年以降さらに急成長。2021年にインカレ初優勝。2023年には男女アベック優勝を成し遂げた。部員数は学生スタッフを含め64名。

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このチームを選んでくれた選手たちに全力を尽くす

いちばん大事にしているのは、選手たちが卒業したあとに輝けること。このチームを選んでくれた選手に、最後までしっかりと寄り添いたい。自分の人生は他人から言われてやるのではなく、彼らが自分で考え、自分で決めるべき。だから、彼らの人生が豊かになるために、大学の環境や僕を使ってもらいたい、という思いで指導しています。

網野友雄 監督/日本大学出身。学生時代から日本代表を経験し、卒業後はプロとして活躍。筑波大学大学院修士課程を修了。2017年から白鷗大学助教となり、同年部長兼監督に就任。

4年生としてチームに貢献していく

この2年間、フィジカルレベルを上げるためにウエイトトレーニングや食事改善でカラダづくりに取り組んできました。体重も増えて、今ではディフェンスで当たり負けしなくなってきました。今シーズンは最終学年。自分からリーダーシップをとって、チームを引っ張っていきたいですね。ディフェンスからリズムに乗って、得意な3ポイントを決めていきたいと思います。

根本大さん 4年生(SG)/つくば秀英高校出身。3ポイントシューターとして活躍し、3年時には日本学生選抜に選出。「今年は最後まで戦い切る持久力をつけたい」と意気込む。

仲間に信頼され、チームをまとめるポイントガードに

ポイントガード(以下PG)は選手たちから信頼してもらうことも大切です。練習から質の良いプレー、質の良いパスを出すことで、試合でも自分のプレーを分かってもらえます。上級生も下級生も自分たちの意見を言い合えるとても良いチーム。今シーズンの目標はインカレ連覇。PGとしてどうチームをまとめ上げていくかを課題に、みんなから信頼できる選手となれるよう取り組んでいきます。

佐藤涼成さん 3年生(PG) 福岡第一高校出身。ゲームメイクだけではなく、高い得点能力を誇るパワフルなチームの要。「もっと素早いパスが出せるように」と腕や腹筋の強化に取り組む。

責任感を持ち目標の達成を目指す

一つひとつの仕事に責任があるので、それをやりきったときの達成感は大きいですし、チームが良い結果を残せたときは充実感もあります。今のチームは、年齢関係なく言いたいことを言い合える、理想的な関係性だと思います。また、大学で学んだ栄養学などを選手たちのサポートに活かすようにしています。最終学年となる今年、全員で戦っていきます。

木村倖子さん 4年生(主務)/青森東高校出身。高校まで選手として活躍するも故障をきっかけにサポートの道へ。「目指される側でも油断することなく取り組みたい」と気を引き締める。

CLOSE UP/ 栄養

フィジカルレベルを上げるために
食事からカラダをつくり上げる

根本選手も佐藤選手も、大学に入って痛感したのはフィジカルの違いだった。トレーニングは当然ながら、それだけではカラダづくりはできない。「一度に多くの量が食べられないので食事の回数を1日5、6回に増やしました」(根本選手)と工夫して筋量も体重もアップ。「同じ部屋のジョエル・モンガの食事をお手本にしています」(佐藤選手)と高校時代に好きだったおやつやカップラーメンをやめ、野菜を多く摂るだけではなく、毎食後にはプロテインでたんぱく質を補っている。また、主務の木村さんは大学で学んだ栄養学を活かし、合宿や遠征時のお弁当の内容にも気をつけて、栄養面でのサポートも行っている。

学食でもたんぱく質を中心に、カラダづくりを意識したメニューを選ぶ。

根本選手は量は多くないが補食をこまめに摂る。練習後はおにぎりとプロテイン。

CLOSE UP/ トレーニング

質の良いウエイトトレーニングで
当たり負けしないカラダをつくる

練習中、体育館には選手たちの声が響く。良いプレーには称賛を、ミスには励ましを。網野監督は「練習は集中して100%出す。そうすれば試合につながる」と選手を鼓舞する。また、ウエイトトレーニングの施設も非常に充実している。トレーニング方法は授業で学んだり、先輩から教えてもらったりと様々。「先輩が相談に乗ってくれて、自分に必要な筋力はどこか、どう鍛えれば良いかなどアドバイスしてくれました」(根本選手)。アドバイス通り下半身を重点的に行ったことで、ディフェンス時に押し込まれなくなった。佐藤選手は授業で学んだトレーニング理論を用いてジョエル・モンガ選手と一緒にウエイトに取り組み、当たり負けしないカラダを手に入れた。

体育館と同じくウエイトトレーニング施設も自由に使うことができる。先輩からのアドバイスや授業で学んだことを活用して筋力アップに励む。 

CLOSE UP/ チームづくり

自分にコミットせよ!
8つの行動指針がチームを成長させる

昨年春の大会で2位だったことで、あらためてチームのあり方を考え直したという。「ひとつは、僕の思いを3つにまとめた『チームビジョン』をつくりました。そしてもうひとつは、『チームの価値観・行動指針』です。学生から『強いチームとはどんなチームか、もし周りから自分が何て言われたらうれしいか、そうなるためにはどうしたら良いか』という意見を集め、そのなかから8つを抽出しています。これをつくったことで、選手たちの意識が大きく変わりました」(網野監督)。他人と比較するのではなく、自分がどう成長したか。そのために何をしていくのか。自分にコミットすることで、チームは急成長を果たし、全日本制覇を成し遂げたのである。

※2024年4月15日発行「アスリート・ビジョン#33」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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