龍谷大学学友会体育局バドミントン部【注目チーム紹介 vol.55】

2023年の全日本学生バドミントン選手権大会(インカレ)では個人戦ダブルスで女子優勝、男子準優勝と輝かしい成績を残した龍谷大学バドミントン部。関西・京都リーグなどの過密な試合日程を戦い抜き、関西の雄としてその存在感を知らしめた。一方、インカレ団体では女子3位、男子ベスト8と悔しい結果と選手は振り返る。今季の目標“インカレ団体アベック優勝”に挑む選手、監督にトレーニングやチームの役割分担、目標を聞きました。

才能を大きく開花させる選手たち。“チーム一丸”で目指す頂点

龍谷大学学友会体育局バドミントン部

1962年創部。2023全日本学生バドミントン選手権大会(インカレ)個人戦は女子ダブルスで4大会連続の優勝、男子ダブルスで創部初の準優勝を果たす。団体戦では2022年に男子が優勝を飾っている。部員53名

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バドミントンを様々な視点で捉えてほしい

勝負の世界ですので勝ち負けは存在しますが、学生たちには自分のプレーの幅や考え方を広げて、様々な視点でバドミントンを捉えてもらいたいと考えています。大学スポーツは高校までとは異なって主体性が軸。失敗してもいいので、指示待ちではなく、いかに自らが判断して動けるかを大切にしています。

古財和輝 監督/日本体育大学出身。トナミ運輸などで活躍後、2013年に龍谷大学のコーチに。コーチの肩書をもちながらプレーヤーとしても活躍。2019年の全日本総合選手権で引退し、翌年同大学監督に就任した。

目指すのはインカレ団体戦男女アベック優勝!

昨年のインカレや全日本総合選手権を経て、まだまだパワーが足りないなと痛感しました。フィジカル面も含めて、ウエイトトレーニングも意識的に取り組んでいます。今年は最上級生になるので、積極的に声をかけるなどチームを引っ張り、インカレでの団体戦男女アベック優勝を目指します!

木田悠斗さん 4年生/福井県立勝山高校出身。チームでは主務も務める。昨年のインカレでは西大輝選手とのペアで男子ダブルス準優勝。「もっと上手くなりたい」と仲間と地道な練習に励む。

大学で考えることの大切さを学んだ

トレーニングと試合をどう結び付けるかなど、大学では考えることの大切さを学んでいます。高校時代よりも試合を想定しながらトレーニングを行うようになり、ラリーの組み立ても自分たちで考えるようになったのが大きな変化ですね。

田邉裕美さん 3年生 福井県立勝山高校出身。中出選手とともに昨年のインカレ女子ダブルスを制覇。中出選手は「競った場面でも決めてくれるという安心感がある」と絶大な信頼を置く。

練習の成果を試合で実感できている

(田邉選手と)2人で攻めていく形はこの1年で成長できた部分だと思います。大学では実業団選手との対戦機会も増えましたが、実戦経験とウエイトトレーニングなどの成果もあって、ラリーの場面でもパワーが出せているという実感があります。

中出すみれさん 3年生/富山国際大学付属高校出身。昨年のインカレ女子ダブルスで優勝。ペアを組む田邉選手は「前でのタッチや柔らかい球を作ったりするのが上手。長いラリーになったときの粘りがすごい」。

CLOSE UP/ 栄養

疲れても食べる習慣を身につけて、
練習中や試合でのエネルギー不足を回避

一人暮らしや下宿が多く、食事は部員各々の自己管理に委ねられている。「1度にたくさん食べられないのでこまめに分けるようにしています」(木田選手)、「試合前や連戦のときは生姜焼き定食でご飯を3杯くらいおかわりしています」(中出選手)と各々が調整。定期的に栄養講習が開催されたり、気になったときは監督やスタッフが選手に声をかけている。特に気をつけているのが、疲れても食べる習慣をつけておくための練習前後の補食だ。「エネルギー不足にならないようにウエイトの前はしっかりと食べるように言われています」(中出選手)、「練習前後や合間におにぎりやプロテインを摂っています。常に何か持ってきて食べるようにしています」(木田選手)。

中出選手の練習後の定番メニュー海鮮ねばねば丼。「たんぱく質と炭水化物をしっかり摂ります。 暑い夏でもサッと食べれるので夏バテ予防にもなります」

木田選手の鍛錬期の夕食。以前は食事の量が少なかったが、3年生になって少しずつ食事の量を増加。最初はいやいやだったというが、今は積極的に食べるようになった。

CLOSE UP/ トレーニング

日本代表選手のトレーニングも担当した
コーチの指導でフィジカルの成長を実感

春シーズンに向けた鍛錬期は土台づくりの時期。シーズン中は試合数が多く、「土台が薄っぺらいと応用も効かない」(古財監督)と、フロアでの練習以外に週2回のウエイトトレーニングと強度の高いサーキットトレーニングで心肺機能を高めている。ウエイトトレーニングは日本代表も担当していたコーチの指導を仰いでいる。カラダの線が細いのが悩みの木田選手は、下半身はスクワット、上半身はベンチプレスを中心に行い、パワーがついたと実感していて、「以前よりも球を押し込めている」手応えがあるという。田邉選手も「足腰が強くなって、動ける範囲が広くなった」と変化を感じている。スポーツ部の学生が怪我やリハビリの相談ができるATコーナーの存在が安心してプレーができる要素の1つに。

フロアに隣接するトレーニングルームは充実の設備が揃っている。

ATコーナーではアスレティックトレーナーが怪我の状態を判断し、応急処置やリハビリのプログラムを作成、指導している。

CLOSE UP/ チームづくり

裏方仕事は4年生を中心に部全体で運営
オフコートでも“チーム一丸”なのが強み

体育館使用の調整や大会申し込み、会計など事務的な作業は主に4年生が役割を分担。「大体1つの役割に3人。3年生も補助役でつきます」(古財監督)。上級生以外も、「1、2年生は練習メニューをノートにまとめて、全員が後から見返せるようにしていて、後輩も積極的にチームづくりに参加できるように話し合っています」(田邉選手)というのは龍谷大学バドミントン部ならでは。主務を担当する木田選手は「そういう仕事もチームづくりに繋がっているし、だからこそコートでも“チーム一丸”になれる。それが僕たちの強み」と部員たちは自信を持っている。

チーム目標や練習で意識することが書かれたホワイトボード。「いつも目に入るところにあって、みんなそれを見て“頑張ろう”と気合いを入れている」(木田選手)

※2024年4月15日発行「アスリート・ビジョン#33」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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