慶應義塾体育会・簗瀬真史選手 ベストコンディションで、強い相手を全力でなぎ倒す【アメリカンフットボール】

最年少の20歳で日本代表に選出され、海外遠征も経験した簗瀬 真史選手。大きな体格を活かし、相手を押し込みなぎ倒すO L(オフェンスライン)一筋で、高校時代からチームの活躍の一翼を担っています。相手に負けない日々のカラダ作りのメニューや、最終学年として残された時間での目標を伺い、アメフトのために様々な試行錯誤をする姿に迫りました。

プロフィール

慶應義塾体育会 アメリカンフットボール部 簗瀬真史

1999 年7 月12日生まれ。高校からアメリカンフットボールを始め、所属した慶應義塾高等学校ユニコーンズは、2015 年〜2017 年に地域大会優勝・準優勝、全国大会ベスト4入りを果たした。慶應義塾大学ユニコーンズはリーグ戦上位にランクイン。2020 年には最年少の20歳で日本代表に選出された。185cm、120kg

カラダと頭脳のぶつけ合いがアメフトの醍醐味

アメリカンフットボールをはじめたきっかけ

―慶應義塾大学出身のお父さんとお兄さんの影響で、高校1 年の時にアメリカンフットボール(以下:アメフト)をはじめたそうですね。子どもの頃から身近なところにアメフトがあったのでしょうか?
「幼稚園の頃から、父や兄と一緒にアメフトのテレビゲームをやっていました。当時はまだアメフトのルールを知らなかったのですが、遊んでいるうちに自然とアメフトに興味が湧いてきたことを覚えています。高校1 年で本格的にアメフトをはじめてからは、父も兄も同じポジションだったこともあって家の中でよく話をしました」

―アメフトをはじめて、すぐに馴染めましたか?
「いえ。はじめた当初は、それほど楽しいと思えなくて(笑)。つらいトレーニングがいっぱいあったし、強くなるまではカラダが痛くなることも多かった。『すごいスポーツをはじめてしまったな』と思ったものです。それでも、高校2 年から試合に出るようになり、それなりにカラダが大きくなってからは、楽しいスポーツだと思うようになりました」

―どこにアメフトの魅力を感じますか?
「OL という自分がやっているポジションの特性でもあるのですが、カラダをぶつけ合って、相手を押し込み、自分が遥かに強かったら相手をなぎ倒すこともできます。そこに爽快感を覚えることが多く、アメフトの純粋な楽しさでもあると思っています。また、アメフトはワンプレーごとに作戦が入り、それを両チームがぶつけ合います。カラダのぶつけ合いだけでなく、頭脳のぶつけ合いもアメフトの醍醐味ですね」

カラダを大きくするためにおにぎりを持って遊びに行っていた

簗瀬選手のカラダづくり

―アメフトの選手は皆さん、カラダが大きい印象があります。簗瀬選手は、どうやってカラダを大きくしたのですか?
「僕の場合、中学を卒業する時の体重が70kgくらいでした。身長は今とそれほど変わりません(185cm)。そこから増量して、高校3 年の時点で110kgくらいになっています。とにかく食べて、とにかくウエイトトレーニングをして、という生活をひたすらやっていましたね。一番食べていたのが高校生の時で、だいたい1 日6 食。7 食くらい食べる時期もありました。特に食べていたのがお米で、母に毎日、大きいおにぎりを4 つくらい作ってもらっていたんです。友人と渋谷に遊びに行く時も、それを持ち歩いていましたよ(笑)」

―カラダを大きくし過ぎると、逆に動きが鈍くなるというデメリットもあるように思います。
「今の体重は120kg なのですが、一時期、125kg まで増やしたことがあります。とりあえず増量しようと思って。ところが、逆にカラダがしんどくなって動けなくなりました。それ以来、一度、10kgくらい体重を落として、筋力をつけながら徐々に体重を増やしていくようにしています。確かに体重を増やし過ぎて、苦しんだ時期はありました」

―アメフトに必要なカラダを作る上で、どんなことを意識しながらトレーニングをしていますか?
「アメフトは、カラダを大きくする筋力に加えて、力をうまく伝えるための筋力が必要とされるスポーツです。自分はどちらかというと、カラダを大きくして( 一回で持ち上げられる最大重力によって計られる)最大筋力を上げることに重点を置いてトレーニングをしています。OL は体重を重くして相手と押し合いをするポジションなので、どれだけカラダを大きくできるかが大事になってきます。例えば、100kgくらいのバーベルを持ってジャンプスクワットを繰り返すと、力をうまく伝えるための筋力を養うことができますが、僕の場合は240kg などの重いバーベルを担いでスクワットをするトレーニングを重視しています」

―栄養面で気をつけていることはありますか?
「炭水化物とたんぱく質を積極的に摂るように心がけています。特に体重を増やす増量期には、アミノ酸のサプリメントも飲むようにしています。トレーニング中だけでなく、寝る前に飲むことも多いですね。アミノ酸を摂っていたほうが、疲れにくいと思います」

アメリカ遠征で感じた海外選手との差

今年の目標

―2020 年には日本代表の一員として、アメリカ遠征に参加しました。大学生で選ばれたのは二人だけでしたが、どのような経験でしたか?
「とてもいい経験になったと思っています。自分よりはるかにレベルが高い選手に出会えたこと。また、アメフトには様々な技術や戦術があるのですが、それを日本代表に入ることで、他のチームが取り入れている技術や戦術を自分の中に吸収することができました。海外の選手と対戦できたことも大きかったですね。アメリカのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)でプレーしたことがある選手と対峙したのですが、本当に吹き飛ばされるくらい強かった。今後も日本代表として遠征に参加する機会があれば、もう一度、アメリカにチャレンジしたいと思っています」

―大学生活も1 年を切りました。最終学年での目標を教えてください。
「日本一という目標を掲げて慶應義塾大学のアメフト部に入りましたが、1 部下位リーグ(BIG8)に落ちたことでそれが叶えられない状況になってしまいました。後輩たちが同じ悔しい思いをしないように、まずは日本一を目指せる環境に戻したいと思っています。1 部上位リーグ(TOP8)に戻るという目標に向かって、全力で取り組んでいきます」

※「アスリート・ビジョン#23」掲載/この記事は取材を行った2021年8月時点での情報です

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