夏こそスタミナアップ!暑さに負けない食事戦略②【栄養のプロに聞いた】

夏は遠征や合宿など、秋の試合期に向け、追い込みをかけたいシーズン。一方で暑さの影響で持久力が低下しやすく、疲労が残りやすいのも事実だ。トレーニングや練習の質を保つためには、バテないカラダづくりは不可欠。暑い夏を乗り切るために欠かせない、スタミナアップの食事を早速、マスターしよう!

ダメージを防ぎ、疲れを溜めない!
スタミナアップを助ける食事術

内臓が疲れやすい夏こそ、必要な栄養を効率よく摂りたい。そこで活躍するのが、栄養価が高く、水分をたっぷり含む夏の食材。組み合わせ&食べ方でスタミナアップを実現しよう!

1.旬の夏野菜と緑黄色野菜で効率よく栄養素をチャージ

水分とビタミンが豊富な夏野菜、抗酸化成分を多く含む緑黄色野菜は、疲れないカラダづくりに欠かせません。栄養価も高く、鉄も豊富なほうれん草や小松菜などは、動物性のたんぱく質と一緒に食べると鉄の吸収率がアップします。

また、抗酸化成分は、例えばナスの皮など、野菜の濃い色や苦みに含まれます。生で食べられる夏野菜は丸ごと食べれば、調理の手間もかかりません。

2.クールダウンが大事運動後2時間以内に補食か食事を

練習直後は内臓の血流が少なく、消化機能が低下しています。まずはシャワーなどでカラダの火照りを落ち着かせてから、食事を摂りましょう。練習後から食事まで2時間以上空く場合は、補食を摂ると疲労回復もスムーズに。

コンビニエンスストアなどで購入できるおにぎりや、ミニサイズの冷やし中華やうどんなど、たんぱく質と炭水化物を摂れるものをチョイス。

3.ミネラル成分は野菜&海藻類で補給

発汗で体外に排出されるナトリウム(塩分)などのミネラルは、野菜や海藻類に含まれます。手軽にミネラルをプラスするなら塩昆布がおすすめ。ナス、きゅうりなどの夏野菜やわかめなど他の海藻と揉んだり、塩・胡椒の代わりに炒め物の調味料に出来たりと便利。

夏のスタミナアップにうってつけ!
栄養満点メニュー

一押し「ゴーヤチャンプルー」

緑黄色野菜のゴーヤは鉄、ビタミン、カリウムなどを含み栄養豊富。特にゴーヤのビタミンCは、加熱しても 壊れにくいのが特徴です。ゴーヤチャンプルにすれば野菜をたっぷり食べられるうえ、豆腐、卵、肉、ツナ、かつおぶしなどのたんぱく質もしっかり摂れ、バランスも整います。ゴーヤが苦手な人は、ニラや小松菜に代えてアレンジを!

テクニック1
炒め油は重量の3~4%を目安にしましょう。また、テフロン加工のフライパンを使用すると、肉を炒める際に調理油を使わず肉から出る油で炒めることができ、脂質量を減らせます。
テクニック2
野菜や肉は炒める前にサッと1回湯がいたり、電子レンジにかけるとカサがグッと減り、調理油の量を減らせます。脂質量を無理なくカットできるうえ、調理時間を短縮できて一石二鳥。

定番「夏野菜カレー」

抗酸化成分の豊富なトマト、ナス、オクラといった夏野菜をふんだんに入れた夏野菜カレー。野菜でかさ増しすればカレールーを減らすことができるので、満足感たっぷりなのに脂質量を大幅にカットできます。水の代わりにトマトジュースを使うとコクがアップ。

テクニック1
お肉は脂質の少ない鶏や赤みの肉をチョイス。赤身のこま切れ肉を細かく切ってひき肉替わりに使うと、より脂質量を減らせます。

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柴崎真木さん(管理栄養士)柴崎真木さん【管理栄養士】
アトランタ五輪を目指す競泳選手への食事アドバイスをきっかけにスポーツ栄養士へ。現在はジュニアからトップアスリートまで、さまざまなスポーツの栄養サポートに携わる。ロンドンでは競泳、男子柔道の日本代表チームの栄養サポートを担当。

※2023年7月15日発行「アスリート・ビジョン#30」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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