オフが明け、新たなシーズンに向けてカラダを仕上げていく「準備期」。この間に土台づくりをしっかり行ってこそ、怒涛の試合期を戦い抜くことができます。トレーニングや基礎練習と併せて食事や生活習慣を整えることで、動けるカラダとブレないコンディションを手に入れましょう!
バランスよく食べて動けるカラダを準備する

準備期は走り込みやウエイトトレーニングなど練習のボリュームが多いため、運動量に見合ったエネルギーを十分に摂り、バランス良く食べることが基本です。一方で、オフの間に体重の増減があった人は、適切な体組成に戻しておきたい時期でもあります。体重が増えた人は余分な脂質を控える、筋量を増やしたい人は高たんぱく食材を多めに摂るなど、パフォーマンスのための「理想的なカラダ」から逆算して、食事の内容も調整しましょう。
ピリオダイゼーション(期分け)

ピリオダイゼーション(期分け)と言います。トレーニングの成果を最大化するために、
食事内容も期に合わせて考えることが重要!
+ワンポイント!冬はビタミンD不足に注意!
ビタミンDは、カルシウムの吸収や筋肉の合成を助けるなど、アスリートにとって重要な役割を持つ栄養素。日光を浴びることで体内に生成されるため、日照量の少ない冬は不足しがちに。ケガ予防のためにも、ビタミンDを多く含む魚類を積極的に取り入れるとGOOD。

継続ポイント:疲れたときは手抜きでOK!栄養補給の定番メニューを決めておく

手軽に栄養補給ができる冷凍やレトルト食品、行きつけの定食屋さんなど「定番」を持っておくと便利です。野菜たっぷりのチキンカレーや具だくさんのちゃんぽんなど、1品で多くの栄養素が摂れる簡単レシピを持っているのも◎ 負担に感じる自炊もストレスなく食事できる仕組みを作るのが継続のコツ!
試合期に入る前に生活リズムを整える
大切な試合の前に体調を崩すことがないよう、自分が調子よく過ごせる生活リズムを身につけておくことは重要です。カラダの中身が入れ替わるまでは3~4か月かかると言われているため、試合期に備えるためにも今から整えておくのがベスト。生活リズムが乱れると、食事のタイミングがまばらになって欠食が起き、栄養やエネルギーが不足してしまいます。その結果コンディション不良に陥るという悪循環に。オフの間に乱れてしまった人も、まずは1日3食をきちんと食べ、かつ休養のための睡眠時間を確保することから始めてみて。
+ワンポイント!「冬の朝がつらい」は朝食で解決!
寒い冬の朝こそ体温を上げる効果のある「たんぱく質」を摂取。スープや汁物を一緒に食べれば、カラダの芯から温まってエンジンがかかりやすくなります。朝食で内側からウォーミングアップすることで、ケガの予防や質の高い練習につながります。

水分補給もできて乾燥する冬にぴったり。
モチベーションが上がるルーティンをつくる
カラダづくりをコツコツ行う準備期は、繰り返しの毎日や食事制限に飽きてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、「この食事や生活リズムだとカラダの状態がいい」など、調子が上がるルーティンをつくるのもおすすめです。憧れの選手のコンディショニング・食事法をマネして自分に合うものを見つけるなど、楽しみながら食習慣をアップデートしてみましょう!

アトランタ五輪を目指す競泳選手への食事アドバイスをきっかけにスポーツ栄養士へ。現在はジュニアからトップアスリートまで、さまざまなスポーツの栄養サポートに携わる。ロンドンでは競泳、男子柔道の日本代表チームの栄養サポートを担当。
※2025年1月15日発行「アスリート・ビジョン#36」掲載/この記事は取材時点での情報です。