もっとチームを強くするには?マネージャーのお悩み相談室

学生主体で運営することも多い大学スポーツにおいて、マネージャーの役割は多岐に渡り、強い組織づくりに不可欠です。 チームを強くするためにマネージャーとしてできることとは?

マネージャーの役割とは?

マネージャーとは「組織に成果を上げさせる」という重要な役割をもったポジションです。また、マネージャーの皆さんは、社会で活躍する上でこの上ないアクティブラーニングの機会を得ています。その仕事にぜひ自信と誇りを持って取り組んでください。


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マネージャーならではのお悩みを解決

実際に編集部に寄せられたマネージャーさんからのお悩みに、UNIVAS(大学スポーツ協会)の主催する組織マネジメント研修「GMG(Great ManaGer)ミーティング」の講師を務める吉村宏太さんにお答え頂きます。

お悩み1.野球部マネージャーからの相談

マネージャーである自分の立ち位置って?練習の手伝い以外でできる仕事はありますか?
チームの成果に繋がることを考えれば、できることは山ほどある!

「自分の仕事は、練習の手伝い。チームのお世話係」と思い込んでいませんか。マネージャーはヘルパーでもアシスタントでもなく、チームの成果に繋がることを考える役割それを認識すれば、何をすべきか、課題や具体的な取り組みが見えてくるはず。自分の役割とできることを考え、課題を整理してみましょう。

マネージャーに求められる能力

・主体性 ・実行力 ・創造力

LET’S WORK
自分の役割とできることを考えてみよう

POINT
組織を形成する4つの資源「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」で考えるとより明確になる

例えば……。
□その選手にあったトレーニンググッズを探す
□プロのチームや強いチームを偵察する
□コンディショニングについて情報を収集する   など

お悩み2.陸上部マネージャーからの相談

最近、選手たちのモチベーションが下がっています。チームの士気、やる気を高めるには、どう声をかければいいですか?
まずはじっくり相手をよく観察しましょう。
相手の立場に立ち、この選手はどんな言葉に反応するか、どんな声をかけられると喜ばれるかなど、日々観察することが大切。やみくもに声をかけるのではなく、まずはモチベーションの低下の原因を分析することから。声がけはマネージャーばかりがやる必要はありません。チームの中でコミュニケーションが得意な人を見定めて、任せてしまうのも手です。

マネージャーに求められる能力

・課題発見力 ・傾聴力 ・働きかけ力

LET’S WORK
チーム(組織)の「目的」と「目標」を考えてみよう

POINT
目標と目的の違いを確認。チームで設定し共有する

「全国大会優勝」などの目標はあくまでも方向性、道しるべであり、最終的なゴールは「目的」。目的とはなぜその目標が必要なのか?という理由です。なぜこのチームで優勝を目指しているのか、自分はこのチームでどうなりたいのか、改めて考えてみて下さい。チーム内で共有ができていることも重要です。

お悩み3.バスケットボール部マネージャーからの相談

コーチや監督のやり方に、選手が不満を持っている様子。マネージャーとして、チームのためにできることは?
何がズレているのか、明確にしましょう。
まずは両者の相違点を明確に。マンツーでヒアリングしてみる、あるいはアンケートをとってみるなど方法は問いません。そこで例えば、戦術面の考え方に違いがあるのなら、意見をぶつけ合う場をセッティングするというのも一つの方法。このようなチームの問題を毎回適切に対処するために、マネージャーは日頃から「真摯」にチームと向き合って、チームの全てを把握していなければなりません。

マネージャーに求められる能力

・傾聴力 ・柔軟性 ・状況把握力 ・ストレスコントロール力

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お悩み4.サッカー部マネージャーからの相談

マネージャーとしての自信をもつには?
何でもいいので自分で考えたことを実践しよう。
何でもいいので、チームの成果に繋がる取り組みを実行する。具体的なアクションプランを実践する。自分の考えた事が形になって、チームのみんなから喜ばれることが自信に繋がりますどんな些細なことでも、その積み重ねが糧となるはずです。

マネージャーに求められる能力

・規律性 ・計画力

マネージャーに求められる役割を学ぶ 「GMGミーティング」

運動部の主務、マネージャー、会計担当及び学生競技団体や大学の体育局・体育会執行部等の学生スタッフを対象とした組織マネジメント研修「GMGミーティング」。競技種目・大学の垣根を越え、マネージャーに求められる役割などが学べる研修とあり、各地より様々な大学・部活のマネージャーが参加していました。

GMGミーティング東京会場の様子

自分が抱える課題を共有し、みんなで解決策を見出すだけでなく、有益な情報をお土産として各チームにフィードバックできる素晴らしい機会だと感じました。また、社会人として求められる人物像も知ることができるので、主務・マネージャーという希少な時間が自身のキャリア形成にもなることを知れたのではないでしょうか。(編集部)

GMG(Great ManeGer)とは?

学生時代から組織マネジメントを実践しながら運動部の運営を主体的に行い、社会でも活躍できる人材になり得る能力を身につけている学生スタッフのこと。

「マネージャーの仕事を通して得られる学びは一過性のものではありません。卒業後、社会に出ても求められるスキルが詰まっています。チームを強くするためにも、自分自身のためにも、もっとレベルアップしたい志のある方は、ぜひGMG ミーティングにも参加して欲しいですね。」 (吉村先生)

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【参加費】無料
※会場までの往復交通費及び昼食代はご負担ください。
※今後の情勢によってはオンラインセミナーに切り替えさせていただく場合がございます。

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吉村宏太さん
大学在学中は硬式野球部に所属。プロを目指すも重度のイップスを発症し、マネージャーに転身。新卒で毎日コミュニケーションズに入社。その後、保険会社へ転職。2018 年、採用・育成を中心とした人材領域で支援をおこなうZEN コンサルティング株式会社を設立。自身の経験を活かし、学生や求職者のキャリアアドバイザーとしても活動中。

※2020年10月10日発行「アスリート・ビジョン#19」掲載/
この記事は取材時点での情報です

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