授業や練習のオンライン化によって、ライフスタイルがガラリと変わったこの数カ月。食事や栄養の摂り方も、新しい生活に合わせて意識を変える必要があります。そこで今回、ステイホーム後のカラダづくりのお悩みに、数多くのトップアスリートをサポートしている管理栄養士の柴崎真木さんにお答え頂きました。
今すぐ見直したい食生活のポイントは?
まずは、朝早く起きて、朝ごはんをきちんと食べること。一日のスイッチを入れ、普段の生活リズムを取り戻すことから始めましょう。練習が自粛となり、さらにオンライン授業で通学がない分、夜更かしをして、朝もぎりぎりまで寝るといった、不規則な生活になっている学生が多くいるようです。生活のルーティーンが変わっても、三食を欠かさないことがカラダづくりの基本になります。
運動量が減ったので、食事も変えた方が良いですか?
運動をしない=食べなくてもいいと思うのは間違い。気になる糖質・脂質量は練習量に合わせて増減させること!「練習が自粛になっていても、カラダを維持するために食事は必要不可欠。特に骨や筋肉の材料となるたんぱく質、代謝を助けるビタミン・ミネラルや食物繊維は、毎食摂取しましょう」(柴崎先生)。運動量が少ないときは特に揚げ物や甘いものは減らすなど、主に糖質の量をコントロールしましょう。
運動やトレーニングの前後には、補食を。
走り込みやトレーニング前後には、補食を。翌日も動けるカラダでいるために、アミノ酸の補給は日頃から習慣にしたいもの。ゼリー飲料やスティックタイプなど上手に使えると良いですね。
自粛期間に体重が増えてしまった。対処するには?
ぜひやってほしいのが、毎日体重を測ること。数字の変化は嫌でも目につきます。「体重測定は学生アスリートにとって最低限取り組むべきコンディション管理の一つです」(柴崎先生)。毎朝、起床時のトイレ後など、決まった時間に計測し記録していきましょう。ちなみに減量を目指す場合も、三食欠かさず食べることが大切です。ところでステイホーム期間は特に、時間に余裕ができ、ついつい食べ物に手が・・・なんてことも多くあったのでは?手軽に作れることからホットケーキミックスが人気になりましたが、高カロリーで食べすぎると糖質の摂りすぎに。この機会に、成分表示などチェックする癖をつけてみてください。
体重管理のための食生活チェックシート
あなたの食生活はいかがですか? 体重測定と一緒にチェックシートの記入で、自分の食事を振り返り、足りていない栄養素を見直して、日々のコンディショニングに役立てていきましょう。
- 3食きちんと食事をした
- ご飯をしっかり食べた
- 卵を食べた
- おかず(肉・魚)を食べた
- 色の濃い野菜を食べた
- その他の野菜、いも、海藻類を食べた
- 牛乳(乳製品)を飲んだ
- フルーツを食べた
- 揚げ物や油の多いものは控えめにした
- お菓子やジュースは控えめにした
2020年7月10日発行「アスリート・ビジョン#18」掲載