自粛中に始めた自炊、長続きのコツは?栄養士がアドバイス

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授業や練習のオンライン化によって、ライフスタイルがガラリと変わったこの数カ月。食事や栄養の摂り方も、新しい生活に合わせて意識を変える必要があります。そこで今回、ステイホーム後のカラダづくりのお悩みについて、数多くのトップアスリートをサポートしている管理栄養士の柴崎真木さんにお答え頂きました。 今すぐ実践できる自炊のコツやポイントも教えてもらいました。

自炊を始めたいと思いますが長続きのコツは?

カット野菜・冷凍食品・缶詰など包丁を使わなくてもよい食材を活用して。鍋や包丁を持っていない。料理をしたことがない、なんて学生にとっては「自炊って何から始めたら良いの?」と困惑することも多いでしょう。自炊は食費の節約にもなり、栄養バランスもとりやすいので、改めてこの機会に始めることをおすすめします。

料理が苦手な方は「メインを冷凍の餃子にして、その他を自炊するなど、無理なく始めていきましょう。また、献立を考えるときは、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質の多い肉や魚、卵、大豆製品など)、野菜のおかずの組み合わせを心がけることがポイントです」(柴崎先生)

冷凍食品はブロッコリー・ほうれん草・枝豆など活用

解凍したブロッコリーにツナ缶と合わせて醤油で味付けするだけで一品に。

もやしやキャベツ、カット野菜をプラス

ラーメンにレンジでチンしたカット野菜を入れるだけで、安くて栄養価もアップ。

パンや麺より「ご飯」がおすすめ

食物繊維が多く、水分もとれるご飯(米)は栄養価も高くてコスパも良い。玄米や雑穀を混ぜると、食物繊維やビタミン、ミネラルの摂取量も増やせます。「トップアスリートは、海外遠征の時には、鍋でご飯を炊いて食べている人もいます」( 柴崎先生)。

コンビニ食が増えました、何に気をつければいいですか?

加工食品だけでは、ビタミン・ミネラルが不足しがち。例えば、ラーメンに卵、もやしを追加するだけで、栄養価がグンと変わります。高たんぱく質食品の「卵、豆腐、納豆」がおすすめ。ちくわや魚肉ソーセージ、かまぼこなどそのまま食べられるものもコンビニに売っています。手軽に使えるカット野菜や海藻類も、スーパーと金額の差はそうありません。パックでそのまま食べられるもずく・めかぶなども便利ですね。

最後に、競技再開にむけたカラダづくりのアドバイスを。

練習が十分にできないことを前向きにとらえ、しっかり体調を整える時間にしてみて!時間ができた今だからこそ、自分のカラダを知るチャンスです。ケガで休んでいる方もこの期間は、しっかり治療に専念してください。普段は忙しくて、自炊ができなかった学生も、これを機会にチャレンジしてみるのもよいですね。自分に合った食事量を調整できるため、栄養管理にも取り組みやすいです。

柴崎真木さん(管理栄養士)

柴崎真木さん【管理栄養士】
アトランタ五輪を目指す競泳選手への食事アドバイスをきっかけにスポーツ栄養士へ。現在はジュニアからトップアスリートまで、さまざまなスポーツの栄養サポートに携わる。ロンドンでは競泳、男子柔道の日本代表チームの栄養サポートを担当。

2020年7月10日発行「アスリート・ビジョン#18」掲載

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