【スライドボード編】トレーナーに聞いた!効率よく鍛えるためのトレーニングアイテム活用

暑い夏を越え、多くのスポーツで試合が重なる秋シーズンとなりました。特定の部位だけに負担がかかりやすい競技では、ケガ予防やコンディショニングのために日ごろからバランスよく負荷をかけていくことが重要です。今号では、トレーニングを中心に、リハビリやウォーミングアップにも使える「スライドボード」を活用したメニューを、八王子スポーツ整形外科の工藤トレーナーに教えてもらいました。

アイテム紹介「スライドボード」

春号・夏号で紹介したチューブやバランスディスクでは、各部位にピンポイントで負荷をかけていたが、スライドボードの場合、より実戦に近い全身運動の中で筋肉に刺激を与えることができる。「滑らせる」という点が他のトレーニングツールと異なる特徴で、特に横の重心移動のある競技にはオススメだ。軽い負荷で動きのあるメニューとなるので、ウォーミングアップで心拍数をあげることにも使える。今回は「モビリティ(可動性)」を高めるストレッチ性のあるメニュー(1、2)と、トレーニング性のあるメニュー(3、4)を紹介する。スライドボードがないときは、タオルをシューズの下に敷いて代用できるので覚えておこう。

※今回はスーパースポーツセビオで販売している「スライドボード」を使用している。
※誌面では靴を履いているが、実際のトレーニング時には脱いで行うことを推奨する。

効率よく鍛えるためのエクササイズ

1. 【胸郭】4ptダイアゴナルリーチ [10~15往復×左右]

右手に付属のシューズカバーをつけ、四つんばいの姿勢を取る。カバーをつけた手を左肩の上部にくるように斜めに伸ばし、わき腹が伸びる感覚を感じながら、ワイパーのようなイメージで左右に動かす。左手も同様。

ポイント 

ひざをつく位置を後ろにすると負荷が上がる。注意したいのは、背中を丸めたり、肩をすくめたりしないこと。逆に、お腹が落ちて腰が反るのもよくない。わき腹のストレッチと胸郭の動き、体幹と肩甲骨の安定性を高める意図がある。

2. 【胸椎・腹斜筋】トランクツイスト  [10~15往復×左右]

片足にシューズカバーをつけ、ボードの前に手をつく。カバーをつけた足を曲げ、ボードの横幅を使って左右に滑らせる。内側に入れるときにお尻が床につく、もしくは高く上がりすぎないように注意。

ポイント 
捻る時は骨盤やみぞおち辺りから捻ることを意識する。また、胸椎の回旋を意識し、胸筋がストレッチされていることを感じながら、ひじを曲げるとよい。腹斜筋のトレーニングも兼ねている。

3. 【体幹・内転筋】サイドブリッジシャッフル  [10往復×左右]

両足にシューズカバーをつけ、横を向いてカラダを手で支えて姿勢を取る。カラダの高さが変わらないように体幹を固めながら、左右の足を交互に入れ替える。手首を痛めている人はひじをついて行ってもOK。

ポイント 
お尻が落ちないようにカラダをキープする。横の体幹やお尻、足、また内転筋のトレーニングになる。姿勢が崩れてひざが内側に入らないように注意しよう。目的に応じて回数でゆっくり行っても、秒数を決めて素早く動かしてもよい。

4. 【股関節】リバースラテラル・クロスランジ  [10往復×左右]

片足にシューズカバーをつけてボードの前に立ち、ひざを曲げながら足を左右に滑らせる。サイドステップやクロスステップのベースとなる股関節のトレーニングだ。軸足のお尻周りに刺激が入っていることを感じよう。

ポイント 
重心は軸足に残したまま真下に落とす。カラダが前のめりになりすぎないことに加え、エクササイズ③同様、ひざが内側に入りすぎないように注意しよう。
工藤 陽介 さん
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネスセンター所属。日本スポーツ協会アスレティックトレーナー。スポーツ傷害やコンディショニングを中心に、幅広い年齢層へパーソナルトレーニングを行う。その傍ら、大学ラグビー部や高校野球部へもトレーナーとして携わっている。

スーパースポーツゼビオで手に入る‼

今回紹介した「スライドボード」や、トレーニング前後の栄養補給におススメな「アミノバイタル®」ゼリードリンクなど、各種スポーツアイテムはスーパースポーツゼビオのオンラインストアや店舗で購入できます。気になる方はぜひチェックを。

※2021年10月15日発行「アスリート・ビジョン#23」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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