駒澤大学・飯田晃明選手 ケガから学んだケアの大切さ。夢であるプロでの活躍を見据えて、とことんまでフィジカル強化に取り組む【サッカー】

幼少期から『プロになりたい』という夢をぶらさず、真摯な気持ちでサッカーに向かう駒澤大学の飯田晃明選手。将来を見据えたフィジカル強化のためにトレーニングのみならず、毎日のケア、食生活の改善にも着手し、その成果はカラダに表れ始めているという。度重なる故障やケガにもめげず、今できることに一極集中で取り組める飯田選手の強さはどこにあるのか。じっくりお話を伺いました。

飯田晃明選手のプロフィール

駒澤大学 サッカー部 飯田晃明

2003年3月17日福井県生まれ。ポジションはMF。小学生になると同時にサッカーを始める。高校2年生から高さを生かしたヘディングを武器にレギュラーを勝ち取る。ボランチへコンバートされたことで才能が開花して一気に全国区へ。3年時には全国高校サッカー選手権大会優秀選手に輝いた。

中学時代のケガをきっかけに、毎日のケアは欠かさない

サッカーを始めたきっかけ

―まずはサッカーを始めた時期ときっかけを教えてください。
「最初は野球をやろうと思っていたんですけど、兄がサッカーをやるというので、僕もそれについていく形でサッカーを始めました。小学2年生のときの練習試合で3ゴールくらい決めることができ、『サッカーって楽しいな』と思い真剣に取り組み始めました。中学3年生のときに身長が1年で20cmくらい伸びて、それと同時に体力もついてきたので、プロを目指したいな、と思い始めたんです。それで地元の強豪校、丸岡高校に進学しました」

―ですが、1年生のときに腰椎分離症になってしまったそうですね。
「はい。冬の試合中のアクシデントでした。そこから2、3カ月、何もできない時間がありました」

―そんな苦しい時、どのようにして自分を奮い立たせてこられたのでしょうか。
「チームメイトにも同じ症状の選手がいたので、ケアのアドバイスをもらいました。そのころからポールを使ったストレッチをしたりして、ずっと毎日のケアは続けています。今も練習に始まる前に必ずストレッチをして、練習後、それと夜寝る前にもストレッチを欠かさないようにしています」

―駒澤大学に進学を決めた理由は何だったのでしょうか。
「高校の監督から勧められたのがきっかけです。丸岡高校のOBも多く進学していたので、その点も安心感がありました。駒澤大学の練習に参加させてもらえる機会もあって、秋田浩一監督からも、ぜひに、とも言ってくださったので、進学を決めました」

チームメイトの頑張りが励みに、家族の支えにも感謝

大学に進学して

―大学に進学した後は環境も大きく変わりましたね。
「そうですね。僕が入学したときの4年生がとても強くて。1部リーグ戦も2位で終わって、最後の冬のインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)も優勝しました。縦に速いサッカーで、得点を決めて勝つ、ということにこだわったプレーが駒澤大学の特徴だと感じています。また、自分が中学時代から大事だと思って取り組んできた走り込みをすごくしっかりやるチームなので、自分のプレースタイルにも合っていると感じています。残念ながら昨年は2部に降格しましたが、自分も含めて「絶対に1部に上がる」という強い気持ちを全員が持って練習に励んでいます」

―1年生の冬に左足の中足骨の骨折(ジョーンズ骨折)があったと伺いました
「はい、その時は手術をして治ったんですが、2年生の夏に再度同じ所を骨折して、1年間はほとんど棒に振ってしまいました。今はもう痛みもなく、もうすぐ練習にも合流できるので、早く練習したいです」

―その高いモチベーションを持ち続けられる理由はどこにあるのでしょうか。
「やっぱりチームメイトですね。頑張っている姿を見たり、活躍しているところを見たりすると、やっぱり負けたくないって思いますし、もっと練習してうまくなりたいと思います。それに、卒業した先輩がプロに入ったんですけど、その先輩もすごく練習をしていました。そのくらい練習しないとプロにはなれないんだな、とも感じました。復帰したらもっと練習したいと思っています。それと、やっぱり家族の存在は大きいです。福井県から遠い東京の大学に進学させてもらって、サッカーに集中させてもらえているのは、家族のおかげです。だからこそ、本当に一日一日を大事に過ごさないと、もったいないですよね。毎日全力で頑張って、自分がプロになって夢を叶えることで、恩返ししたいです」

トレーニングと食生活で、課題のフィジカル強化に取り組む

飯田選手のコンディショニングについて

―プレースタイルで今大事にしていること、そのために取り組んでいることはありますか。
「海外選手や日本代表の選手たちを見ていると、やっぱりフィジカルがとても大事だと感じていますので、カラダ作りに取り組んでいます。練習後に1時間程度、部位を決めてウエイトトレーニングをしています。ただトレーニングばかりでは疲労も溜まってしまうので、ケアも大事にしています。多くを求めすぎると、きっと全部が中途半端になってしまうと思うんです。だから今自分にできることをとことん究めることを大事にしています。自分にとってはそれがフィジカルだと思うので、とことん鍛えています。カラダつきも以前と変わってきたと感じているので、復帰後、プレーするのが今からとても楽しみです」

―食事面ではどうですか。
「毎食たんぱく質を摂るように心掛けています。お肉は鶏胸肉にしたり、卵や納豆なども意識的に摂ったり、足りない分はプロテインで補ったりしています。あとは、野菜もたくさん食べるようにして、バランスにも気をつけています。練習を見てくださっているトレーナーの方からも、カラダ作りに食生活はすごく大事だと言われていますし、大学に入ってから特に気をつかっています」

飯田選手のある一日のスケジュール

自分に今できることを突き詰める

―最後に同世代のアスリートに向けたメッセージをお願いします。
「周りの選手が頑張っているのを見ると、絶対自分も頑張ろうっていう気持ちになると思います。サッカーで言えば、僕は同世代の選手たちとプロで戦いたいと思いますし、そうなったらきっと楽しい。そんな夢を叶えるために、一日一日の時間をムダにせず大切に過ごして、自分に今できることを突き詰めて、一緒に切磋琢磨しながら頑張っていきましょう」

※「アスリート・ビジョン#29」掲載/この記事は取材を行った2023年3月時点での情報です

最新情報をチェックしよう!