心とカラダのコンディショニング術
本番発揮力の「秘訣」は
夏のモチベーションのマネジメントにあり!

競技はもとより日常生活でも高いパフォーマンスを発揮するには、コンディショニングが大切です。気持ちを整えるメンタルコーチングや睡眠をしっかりとるための快眠術など、アスリート必見の心とカラダのコンディショニング術を紹介します。

メンタルコーチングで実現する
目標達成までのアプローチ

秋のリーグ戦やインカレでベストなパフォーマンスをするには、夏の時期にモチベーションを下げずに練習することが大切です。

その理由とメンタルコーチング流の具体策を、ナショナルチームや数々のトップアスリートのメンタルコーチを務めてきた一般社団法人フィールド・フロー代表の柘植陽一郎さんに教えてもらいます。

なぜ夏にモチベーションをマネジメントする必要があるのか?

秋のリーグ戦やインカレまでに、あと数カ月ある、また反対に数カ月しかない。微妙な時期である夏こそ、自らモチベーションをマネジメントして練習することが必要です。

アスリートならモチベーションがパフォーマンスを上げることは、身をもって体験していると思います。当然、試合があり、試合に出れている時期は、自然にモチベーションが高まります。種目によっては試合までに少し時間があったり、暑さでやる気が削がれたり、長い練習時間に集中力が途切れたりなど、質の高い練習がしにくい時期でもあります。

そこで、普段の練習、特に試合を控えた夏の間に、モチベーションをマネジメントして、質の高い練習をする必要があるのです。質の高い練習ができれば、秋の試合までに、大きな実力差が生まれます。

モチベーションをマネジメントするための3つの要素

メンタルコーチングでは、モチベーションをマネジメントするために「自己効力感」「目標設定とプランニング」「自分軸」の3つの要素を考えます。

◆モチベーションをマネジメントするための3つの要素

自己効力感

  自分にはできると考えられる力

○目標設定とプランニング

  気持ちが前のめりになる目標設定と達成のためのプランづくり

○自分軸

  大切にしたい価値観やビジョン

 

「やらなきゃいけないとわかっているけど、やる気がでない」「なんか集中できないだよな」など、モチベーションが低下すると練習の質が下がり、競技力を上げる目的に近づきにくくなります。そうならないためにも3つの要素を意識してモチベーションをマネジメントしてみましょう。

 

3つの要素を意識したモチベーションアップ法

■見える化

「大会の初戦までの残り日数を貼り出す」
「あと〇日」と書き出して壁に貼るだけでは足りません。1週間に1回行う練習があるとします。大会の初戦まで3週間しかない場合、その練習は3回しかできないことになります。「あと3回」と考えると、練習の密度が上がりませんか? 「具体化」「数値化」も刺激を与えるポイントの一つです

■他者からの刺激

「アスリートの体験談を読む・観る」
自分に似たような境遇にある選手・チームが、これまでにどのようなチャレンジをしてきたのかを、雑誌で読んだり、動画などで観てみましょう。例えば、一部昇格を目指すチームの場合、同じように一部昇格を果たしたプロチームのエピソードを追体験すると、奮起材料になります。

■コミュニケーションの活用

「ハーフタイムに練習を振り返る」
練習中にハーフタイムを設けたり、練習終了後に振り返る時間をつくり、「これまでの練習の質はどうだった?」「良かったところは何だろう?」「もっと効果をあげるためにはどんな工夫をしたらいい?」と考えるのも効果的です。また、その振り返りは二人一組になって行うのもよいでしょう。暑い夏は、振り返りをしながら水分を補給したり、カラダを休めたりできるので、フィジカルな効果も期待できます。

「二人一組になってビジョンを再確認する」
練習の帰り道など、二人一組になって質問役と回答役を決め、時間を区切って会話します。競技を始めたきっかけやこれまでの試合、練習の中でうれしかったこと、悔しかったこと、実現したい未来のことなど、思いや考えを人と話そうとすることで、自分の中の考えもまとまり、自分の軸も再確認できます。

 

柘植陽一郎(つげ・よういちろう) さん
スポーツメンタルコーチ、一般社団法人フィールド・フロー代表。専門はメンタル、コミュニケーション、チームビルディング。日本と韓国でスポーツメンタルコーチ養成講座を開講し、卒業生は国内外で活躍している。著書に「最強の選手・チームを育てるスポーツメンタルコーチング」、「成長のための答えは、選手の中にある」(共に洋泉社)

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