東京女子体育大学アイスホッケー部【注目チーム紹介 vol.39】

第9回日本学生女子アイスホッケー大会(2021年)では準優勝

2021年の日本学生女子アイスホッケー大会では準優勝に輝いた東京女子体育大学アイスホッケー部。経験者は3名と大学で競技を始めた選手が多いものの、競技に向かうひたむきな姿とどの大学にも負けないと自信を持つ団結力、「いい意味であきらめが悪い」というスピリッツで結果を残しています。今回は選手、コーチ、トレーナーそれぞれにチーム運営やトレーニングについて伺いました。

自主性を身につけ、団結力で日本一に挑む

東京女子体育大学 アイスホッケー部

部員数25名。2001年に創部し、第1回日本学生女子アイスホッケー大会で優勝、第6回大会では第4位、第7回大会では第3位に。2021年11月に行われた同大会でも準優勝に輝いた。2010年の全日本女子アイスホッケー選手権大会にも出場。

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三浦孝之 ヘッドコーチ「真摯に真っ直ぐに全員で」

「日本一 一生懸命やるチーム」をスローガンに掲げています。周りから見て、どんなにカッコ悪くても、下手でも、泥臭く真摯に、そして愚直にプレーし、全員が一つになって戦うところが特徴でもあり、そういった姿で見ている人を感動させることが目標です。これが完全に達成できれば、かならず日本一を奪還できると思っています。


4年(主将) 伊藤虹汐さん 「 仲間と乗り越える」

主将としてチームが沈んでいるときは雰囲気を盛り上げるよう心掛けています。大学で初めてチームスポーツに取り組んだのですが、チームで励まし合って戦い、苦難を乗り越えることで、あらためて仲間の大切さや団体スポーツの素晴らしさを感じることがでました。

伊藤虹汐さん 4年 (主将)FW/ 小学2年から高校3年までバドミントン部で活躍し、インターハイにも出場した実力者。大学でアイスホッケーを始めた。チームを積極的に盛り上げるリーダー。

3年 平井美波さん「チームを盛り上げる選手に」

チームの最後尾にポジションを取るGKとして、今後、技術をさらに高めていきたいです。より全体を見渡して、積極的に指示を出したり、チームの雰囲気を盛り上げられるような、ムードメーカー的な役割も果たせる選手になっていきたいと思います。

平井美波さん 3年GK/ 中学、高校時代はバレーボール部に所属。大学入学を機にアイスホッケーに興味を持ち入部を決意。現在は渉外担当として、OGへの連絡なども担当している。

2年 髙橋 桃さん「攻守で勝利に貢献する選手に」

一番大切なのはDFとして絶対に相手に点数を取られないようになることですが、アイスホッケー経験者として、守りと同時に求められているのが得点をすること。FWとして攻め上がったときには確実に点を取って、チームの勝利に貢献していける選手になりたいと思っています。

髙橋 桃さん 2年 DF/小学6年生でアイスホッケーを始め、クラブチームに所属。大学では経験者としてチームを牽引している。父は専修大学アイスホッケー部の監督を務めるアイスホッケー一家。

CLOSE UP/ 栄養

求められる自己管理能力
チームに広がる栄養への意識

アイスホッケー部に所属している部員は、実家や一人暮らし、寮生活などさまざまで、一人ひとりが競技や体調維持に必要な栄養を自ら選択する自己管理能力が求められる。ただ、体重調整に苦労している選手などには、コーチやトレーナーが個別で相談にのっているという。「高校までは栄養バランスを気にしたことがなかった」(平井選手)というが、大学の授業でも栄養について学び、「意識的に野菜や肉類を多く摂るようになった」(平井選手)、「塩分を摂りすぎないようにしている」(髙橋選手)とできる範囲内で工夫を凝らしている。

平井選手のある日の食事。主食にマカロニグラタン、副菜として野菜と鶏もも肉の煮物、豆腐と水菜の和え物で不足しがちな野菜を摂取。野菜だけでは飽きるので、煮物に鶏もも肉を入れたんぱく質を摂っている。

「アイスホッケーはハードなスポーツなので、疲労回復によい豚肉料理は意識的に作ります」という髙橋選手。野菜嫌いだが、野菜の種類を多めにしたサラダを必ず付け合わせにしている。また、髙橋家オリジナルの「牛乳かん」は、カルシウム摂取のための定番メニュー。

CLOSE UP/ トレーニング

求められるカラダの強さとバランス感覚
氷上、陸上トレーニングでレベルアップを図る

アイスホッケーはカラダの強さやバランス感覚が必須。シーズン前は氷上で重要になる体幹や足腰強化のため、筋力やウエイトトレーニング中心に行う。シーズンに入ると、週1~2回の深夜の氷上練習、週3回の陸上トレーニングを敢行。氷上練習はリンクが使用できる深夜が中心となるが、選手たちは「週1~2回の貴重な時間なので高い集中力でやれている」という。さらに大学の屋上を利用したシュート、ハンドリング等の充実した実戦練習でレベルアップを図っている。全体練習以外にも「週に2~3日、15~20km走って持久力を高めたり、自宅でも体幹トレーニングをしている選手も。また、選手それぞれが入浴前後にストレッチを行うなど、カラダのケアやコンディション維持に対する意識も高い。

 

メディカル&S&Cコーチ 千葉晴菜さん

千葉晴菜さん メディカル&S&Cコーチ/今年でアイスホッケー部のコーチを務めて4年目になる。自らもアイスホッケー選手として活躍。選手たちの姉貴的存在でもある。

頑張りすぎてケガをしてしまったときや、疲れを溜めないようにサポートするのが私の役目ですが、必ず練習時には毎回全員に一度は声を掛けてコミュニケーションを取るようにしています。私1人で部員すべてをケアができるかと言うと難しい部分もあるので、選手個々のケアに対する意識づけ、自主性を大切にしていています。

 

CLOSE UP/チーム運営

自由と自主性を重んじる伝統
主体的に動くことを大切に

東京女子体育大学のどの部活よりも、「自由だと思います」(千葉コーチ)というアイスホッケー部。ただ、「自由さのなかに自主性が備わっていなければ意味がない。自主的に動かなければ何も得られない」と、何事においてもチーム全員が自主性を持って主体的に活動することを大切にしている。主将や主務の他、渉外や練習を行うリンクを予約する担当、会計、代議員、広報など、部員の多くが様々な役割を担い、チームを運営。結果、メンバーが自主的かつお互いに自覚を持ってチームを見る習慣が養われた。

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※2022年1月15日発行「アスリート・ビジョン#24」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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