「トップアスリートへの道」卓球・森薗政崇選手【先輩に聞いた】

小学生から世代別のナショナルチームで活躍してきた森薗選手にとって、明治大学での4年間は大きな気づきとともに、新たな道への布石となった。

プロフィール

卓球 森薗政崇(もりぞの・まさたか)

1995 年4 月5 日、東京都生まれ。卓球の名門、青森山田中学・高校を経て、明治大学へ進学し腕を磨く。ワールドツアーでは2015 年リスボン大会、2017 年アスタナ大会の男子ダブルスで金メダル獲得した。同年世界選手権の同種目では銀メダル。また、2021 年全日本卓球選手権男子シングルス準優勝。T リーグ4 年目も岡山リベッツでプレー。現在はプロ選手として活躍する一方、代表取締役社長として卓球事業を展開する会社も経営。

文武両道を視野に明治大学へ進学

大学で学んだ経済と、人とのコミュニケーション

 明治大学に進学したのは、文武両道を視野に入れた上で、少し競技にウエイトを置いて、卓球をする上で最も環境が良く、実力のある選手が揃っていたからです。在学中にはユニバーシアードで優勝や世界選手権男子ダブルスで銀メダルを獲得したこともありました。一方で好不調の波も激しく、ダメなときはとことんダメで、大学3年生の頃は1年間まったく結果を出せないこともありました。

 「これまでと同じようにやっていてはいけない」。カラダのケアや食事面などを見直し、プレーに関しても自分と向き合ったことで、徐々にプレーもうまくかみ合うようになったんです。4年時の全日本選手権ミックスダブルス優勝と男子シングルス3位という結果は、試行錯誤し苦しんだ末に出せた結果だったので、とても印象に残っています。

 実は青森山田中学・高校時代、1年の半分はプロリーグのあるドイツへ武者修行に行っていました。当時、現地でコーチのバイトをして生活費を稼いだりしていたこともあって経済に興味があり、大学でも経済に関する授業を多く履修していました。1年時は勉強と競技の両立に慣れずストレスを感じることも多々ありましたが、とにかく充実していました。

 卒業後は会社を立ち上げて、現在はプロ選手のマネジメントやレッスン事業、オンライン ショップの運営、大会運営など、様々な事業展開をしているのですが、大学で勉強していたことがとても生きていると感じますね。 

 もちろん、大学で学んだのはそれだけではありません。部の選手たちをどのようにまとめていくか、どんな言葉をかけるべきか、考えることも多かったのですが、コミュニケーションや人と人とのつながりの重要性をあらためて痛感したのもこの時代です。

楽しみながら続けるカラダ作り

競技は楽しむことを大切にできるだけノーストレスの生活を

 僕が競技をする上で大切にしていることは、なによりも楽しむことです。できるだけノーストレスの生活を心掛けています。食事に関しては厳しい制限を設けていませんが、試合に負けたときに言い訳にしないよう適度にコントロールしています。

カラダ作りの面ではナショナルチームでもウエイトやアジリティなど激しいトレーニングを行っていますが、実は意外とインナーマッスルが鍛えられていないことに気付いたんです。この部位が衰えてしまうと怪我につながりかねません。ただ、“ しんどい” という思考が先行すると続かないので、ときには好きなアニメを見ながらトレーニングしています。

また、練習時間の微調整は行いますが、スケジュールが忙しいときでも必ず毎日練習をすることがコンディションの調整につながっていますね。

後輩たちへメッセージ

やりたいことが明確になれば必然的に何をすべきかわかる

 大学生活の4年間で競技を終える人、その先も続ける人、選択は様々ですが、18 ~ 22 歳の4 年間をどう過ごすかは、その先の人生を考えた上でとても重要だと思います。卒業後の時間の方が圧倒的に長いですからね。だからこそ、大学時代に自分が何をしたいのか明確にすることは大切。やりたいことが明確になれば、必然的に何をすべきかが分かる。ぜひ自分自身としっかり向き合ってほしいです。

 卓球を教えてくれた父は56 歳の今も毎日卓球三昧。それほど熱中できるものがあるのというのは財産ですよね。僕も競技者として「生涯現役」を掲げていて、40 代になってもナショナルチームでプレーできることを証明したいと考えています。停滞は退化と同じ。とにかく進化し続けて、若い選手にも負けずプレーし、お互いに刺激し合いながら高めていきたいですね。

※2021年4月15日発行「アスリート・ビジョン#21」掲載。/この記事は取材時点での情報です。

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