【チューブ編】トレーナーに聞いた!効率よく鍛えるためのトレーニングアイテム活用

多くのスポーツで、いよいよシーズンインの時期になりました。ケガをせずに高いパフォーマンスを発揮するためには、準備として、各筋肉に細かく刺激を入れていくことが大切です。今号では、ウォームアップにもトレーニングにも使えて、強度の調整も簡単にできる「チューブ」を活用したメニューを、八王子スポーツ整形外科の工藤トレーナーに教えてもらいました。

アイテム紹介「チューブ」

チューブは強度の調整が簡単で、関節に優しい負荷になるため、ケガからのリハビリに使われることも多い。動作の後半に負荷が強くなる「終動負荷トレーニング」となり、ダンベルなどで行う「初動負荷トレーニング」と対になっている。強度の低いものは小筋群などのインナーマッスル、高いものは大筋群などのアウターマッスルなど、部位によって強度を変えることができる。他にも、ダンベルなどの器具と組み合わせて使うこともでき、幅広く応用が利くのが最大の特徴といえる。

※今回は「エクササイズバンド」(ゼビオ製)を使用。説明上、表記を「チューブ」で統一。ホース状の「チューブ」でも同様のトレーニングが可能。

ポイント!
伸縮性があり、強度調整のしやすさが便利

効率よく鍛えるためのエクササイズ

1. 【股関節】ヒップローテーション [15回×左右]

膝上にチューブを巻いて横向きに寝転がり、膝を90度に曲げる。上側の膝をゆっくり開き、膝が上がり切ったら、さらにかかとを上げる。その後、逆順でゆっくりと戻していく。股関節の外旋・内旋による、中殿筋・小殿筋のトレーニングだ。

ポイント
膝を開くときに骨盤が一緒に開かないこと、かかとを上げるときに膝が閉じないように注意する。チューブのテンションは高めにしておくとよい。

2. 【肩甲骨】ベントオーバーソラシックローテーション [15回×左右]

片足でチューブを踏み、反対の手に握る。股関節からカラダを折って前に倒す姿勢をとり、斜め45度前に親指を上に向けたまま片腕を上げる。次に視線を上げて、上げた手の親指を見ながら上半身をひねり、さらに腕を上げる。2段階に分けて、肩甲骨の内側にある菱形筋に刺激を入れ、同時に胸椎の回旋運動も行うトレーニングだ。

ポイント
負荷が強すぎると、無理やり動かしてしまい(代償動作)、狙った筋肉に刺激が入らない。そのため、第1段階では弱めのテンションを感じるくらいでよい。

3. 【肩甲骨】ショルダーER+FL[各15回]

※ER→エクスターナルローテーション、FL→フレクション

脇を閉めて両手にチューブを握り、手の平を上にして肩幅くらいまで引っ張る。そのまま真上に両腕を上げていく。上がるところまで上げたら、元の位置にゆっくり戻していく。腕の位置によって使われる筋肉が変わるのでそれを感じてみよう。特に前鋸筋(わきの下)を意識するとよい。

ポイント
腕を上げるときは肩甲骨を前に押し出すイメージをする。脇が開いたり、肩がすくまないように。また、腰と上体を反らしてしまわないように気を付けよう。

4. 【体幹】アンチローテーショナルプレス [20回×]

チューブの片側をパートナーに持ってもらうか、どこかに結びつけ、反対側を両手で持つ。テンションをかけて自分のカラダの中心まで引いた状態から、両腕を前に伸ばし、戻す。ゆっくり動かすことで、左右の腹斜筋に刺激を入れることができる。

ポイント
腕を動かすときに腰が回ったり、腕が斜めにならないように保持する。肩がすくまないように注意。また、チューブは地面と平行になっているかを常に意識しよう。

工藤 陽介 さん
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネスセンター所属。日本スポーツ協会アスレティックトレーナー。スポーツ傷害やコンディショニングを中心に、幅広い年齢層へパーソナルトレーニングを行う。その傍ら、大学ラグビー部や高校野球部へもトレーナーとして携わっている。

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※2021年4月15日発行「アスリート・ビジョン#21」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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