アスリートのための日焼け予防&セルフケア【紫外線対策のプロに聞いた】

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紫外線対策はアスリートにも欠かせません。特に屋外練習では避けられない日焼けによるダメージを抑える“予防”と“セルフケア”のポイントを、アスリートの皮膚疾患にも詳しいスポーツドクターの津田淳子さんに伺いました。

日焼けがカラダに与えるダメージ

日焼けは一種のやけどです。皮膚がひりひりして入浴やマッサージをスムーズに行えなくなると、疲労回復を妨げます。また、紫外線を浴びることで体力を消耗するだけでなく、免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなります。その結果、ニキビやヘルペスが悪化することもあります。

日焼けの反応には個人差あり。
自分の肌タイプを知ろう

日本人の肌は、日焼けの反応によって大きく3つのスキンタイプに分かれます。タイプⅠに当てはまるような、すぐに肌が赤くなりやすい人は、特に対策が必要です。

【BEFORE】活動前のケア

紫外線が多い時間帯を避ける

紫外線が最も強くなるのは10時から14時の間。夏ならナイター練習が好ましいでしょう。日中に活動する場合は、UV カット機能のついた帽子やウエアなどを活用し、できるだけ肌の露出を抑えます。目も同様に紫外線対策が必要なので、スポーツ用のサングラスの着用もおすすめです。

日焼け止めは十分な量をつける

「SPF50」など数値の高い日焼け止めも、薄く塗ってしまうとその効果が得られません。表示量の倍くらいを使う意識で、たっぷり塗りましょう。特に首や肩は、服を着る前が塗りやすいタイミング。広い面は手の甲で、細かい部分は指先で塗るのがコツです。

継続ポイント:個人でもチームでも取り組みやすい対策を!

日焼け止めはさまざまなタイプがありますが、自分が使いいやすいと思うもの、肌がひりひりしないものを選びましょう。敏感肌の方には「ノンケミカル」や「紫外線吸収剤フリー」の表示があるものが安心です。

また、手ごろな価格のものでも十分効果があるので、とにかく惜しみなく塗り続けられるように。たとえば、合宿には日焼け止めやクレンジングのボトルを持って行き、チームのみんなで使うと習慣化もしやすくなります。

【AFTER】活動後のケア

日焼け止めをしっかり落とす

日焼け止めによる肌トラブルもよく耳にします。日焼け止めが落としきれておらず、肌に残っていることが原因になることが多いです。クレンジングと石鹸を併用した「ダブル洗顔」でしっかり洗い流しましょう。

肌を良く冷やし保湿する

濡らしたタオルで肌を冷やすことで、ダメージを少なくできます。化粧水や保湿剤を冷やして使うのも実用的。日焼け後の皮膚は乾燥しているため、いつもより入念に保湿をして肌を整えることも大切です。

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夏本番!紫外線の照り返しにも要注意

アスファルトや砂浜、標高が高い山岳など、いつもと違う場所での練習には注意。紫外線に慣れていない屋内競技者がダメージを受け合宿や練習を離脱することはよくあります。
津田淳子さん
山手クリニック皮膚科、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、
日本体育協会認定スポーツドクター。2012年から国立スポーツ
科学センター非常勤。専門は皮膚科・スポーツ皮膚科。

※2024年7月16日発行「アスリート・ビジョン#34」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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