猛暑を攻略!夏を味方につける食事と水分補給①【栄養のプロに聞いた】

学生アスリートにとって、追い込みシーズンである夏。一方で、厳しい暑さやハードなトレーニングによりコンディションを崩しやすい時期でもあります。疲れやバテに先回りして、最高の状態で本番を迎えるために。夏に起こりやすいカラダのトラブルを攻略する食事・水分補給を学んでいきましょう!

夏バテだからで済ませていない!?
夏の不調を招く3大原因

水分補給をしているのに脱水状態?

こまめに水分を摂っているのにバテ気味……という人が見落としがちなのが、「食事」です。実は、1日に必要な水分量の約半分は食事から摂っています。「夏バテ気味で朝食を抜い ている」、「疲れて夕食を摂らずに寝 てしまう」など、欠食が原因で気づかぬうちに脱水状態になっていることも。特に高温多湿の夏は、運動をすると1時間に2~3ℓ汗をかくこともあるため、食事からの水分補給も欠かせません。

HOWTO:食欲がないときは汁物を活用!
お味噌汁やスープに乾燥わかめや冷凍野菜を足せば、水分と一緒にビタミン・ミネラルも摂れるのでおすすめです。

継続ポイント:水分と栄養たっぷりの夏の食材で補給

「そのまま食べられる夏野菜や果物」を冷蔵庫に常備しよう! きゅうりやトマトなどの夏野菜、バナナやスイカなどの果物は朝でもさっぱり食べやすく、調理の手間もかかりません。

眠れないのは暑さのせいだけじゃない

夏は、暑い屋外とクーラーの効いた室内の温度差が大きく、カラダの機能を調節する「自律神経」が乱れがちです。特に練習後は、緊張や興奮状態でうまくスイッチを切り替えられず、副交感神経の働きが弱まり、スムーズに眠りにつけません。自律神経の乱れによる睡眠不足は、免疫機能の低下や疲労につながるので要注意!

HOWTO:朝食で活動スイッチをオン
寝つきの悪さから寝坊をして朝食を欠食することで1日のリズムも乱れてしまいます。夏休み中も、決まった時間に起きて朝食をしっかりと食べ、自律神経のバランスを整えましょう。

汗をかくと貧血も起こりやすい

「貧血」は、大量に汗をかく夏に起こりやすい症状の一つ。体内のミネラル成分である鉄が、汗と一緒に流れ出てしまうことが原因です。「いつもより疲れやすい」と感じたら、貧血を疑ってみましょう。また 暑さのせいで食欲が低下し、食事を抜くことでさらに鉄が不足する……という悪循環も。学生アスリートは、カラダが必要とする鉄量も多くなります。水分・塩分だけでなく、鉄の補給も重要です。

HOWTO:毎日の食事で鉄不足を補い、貧血予防!
鉄は体内で吸収しにくい栄養素。たんぱく質とビタミン C とセットで摂取すれば吸収率も高まります。たんぱく質と鉄を両方含む納豆・豆腐などの大豆製品は手軽に取り入れやすいです。

症状でわかる!夏の疲労チェック

まずはカラダの状態をチェック!対策は今の自分を見える化することから。1つでもチェックがついた方、「夏バテかも?」と思ったら食事や水分補 給を見直して、コンディションを整えましょう!

☑ いつもより食欲がない
☑ 頭痛がある(朝起きた時に頭が痛いなど)
☑ 便秘気味である
☑ 常に疲労感がある
☑ 十分に睡眠がとれえちない(寝付けない、眠りが浅いなど)
☑1日3食きちんと摂れていない
☑ 喉ごしの良いものばかりを食べている
柴崎真木さん(管理栄養士)柴崎真木さん【管理栄養士】
アトランタ五輪を目指す競泳選手への食事アドバイスをきっかけにスポーツ栄養士へ。現在はジュニアからトップアスリートまで、さまざまなスポーツの栄養サポートに携わる。ロンドンでは競泳、男子柔道の日本代表チームの栄養サポートを担当。

※2024年7月16日発行「アスリート・ビジョン#34」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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