心とカラダをリラックスさせて良質な睡眠を獲得しよう!【睡眠のプロに聞いた】

「睡眠は脳とカラダのリカバリーであり、健康な状態に戻すために必要なもの」。そう話すのは、睡眠を専門に研究する早稲田大学准教授の西多昌規さん。良質な睡眠を取るためのキーワードは「リラックス」。心身のリラックスが、明日のトレーニングを乗り切る最高の睡眠への第一歩なのです。

ベストコンディションは毎日の睡眠で作る
~良質な睡眠を取るためのリラックス法~

ストレッチやヨガ

リラックスをするための大事なポイントは、力を抜くことです。ゆっくりと優しくカラダを伸ばすストレッチ(静的ストレッチ)はお勧めです。カラダの部位をひとつずつ、呼吸を止めずに無理のないところまで、30秒ずつ伸ばしてみましょう。ヨガもストレッチと同じ効果が期待できます。

アスリート・ビジョン#25より抜粋掲載

考えごとをしない

実は何もしないことが、いろんなことを考えてしまう要因につながります。眠たくないのに「早く寝ないと!」と頭で考えすぎると、緊張感が高まり、眠れなくなることがあります。対策としては、眠るまでの行動をルーティン化すること。お風呂に入り、ドライヤー、歯磨きをしたらストレッチをして、寝る。余計なことを考えずに、決まった眠りの準備を行います。この一連の動作を毎日のルーティンにしてしまえば、自然と眠りに入るようになります。


アスリート・ビジョン#25より抜粋掲載
「こうしないといけない!」と決めすぎるのも逆効果。ストレッチやヨガを10分やったら寝る、好きな香りのアロマを焚いてから寝るなど無理せず簡単にできそうなことから取り入れてみましょう。

『仲間と睡眠について情報交換する』

「良質な睡眠」といっても一人ひとり違いがあります。そこで、ぜひ仲間と睡眠について話をしてみてください。それぞれが気持ち良く眠るためにやっている工夫や、睡眠不足を感じる瞬間など、睡眠についての情報を共有し蓄えていきましょう。そうすれば、自分に合った最高の睡眠が取れる方法も見つけやすくなり、反対に自覚していなかった睡眠不足の実態に早く気づけるようにもなります。

 

🔄Routine/朝の日光を浴びることが良質な睡眠の始まり

睡眠を良くしようと考えたとき、まず寝る直前の行動を改善しようとしますよね。ですが、実は朝起きた瞬間から、最高の睡眠を得るための準備がスタートしているのです。そのために重要なのが、睡眠物質である「メラトニン」です。朝に強い日光を浴びるとメラトニンの分泌が止まり、目が覚めます。そこから徐々にメラトニンが分泌され始め、それがピークに達したときに眠たくなる仕組みなのです。
ぜひ、朝は起きたら日光を浴びましょう。晴れていればカーテンを開けてください。もし曇っていたり、部屋に日光が入りにくいなら、蛍光灯でできるかぎり部屋を明るくするだけでも効果があります。

西多昌規さん
東京医科歯科大学助教、自治医科大学講師、ハーバード大学、スタンフォード大学の客員研究員などを経て、早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授。精神科専門医、睡眠医療認定医。専門は睡眠、身体運動とメンタルヘルス。著書に「休む技術(大和書房)」、「テンパらない技術(PHP 文庫)など多数。

※2022年4月15日発行「アスリート・ビジョン#25」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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