限られた時間の中で成果を出すために、パーツ別のトレーニングを紹介してきた連載記事がパワーアップ! これまで鍛えたパーツを実戦でも使えるようにするためのトレーニング方法を紹介します。教えてくれるのは、八王子スポーツ整形外科の工藤トレーナー。カラダを上手に動かせるようになりましょう。
今回は全身にアプローチ
この連載の総集編。春号から股関節、肩甲骨、体幹とピンポイントでアプローチして使えるようになった部位をミックスさせた動きにしていこう。キーワードは『連動』。上半身と下半身を連動させたり、体幹と四肢を連動させて自在に動かしたりできる感覚を磨いていく。全身をくまなく連動させてカラダのコントロール能力を高めていこう。
全身の連動性は、走る、跳ぶ、投げる、打つすべての運動に役立つ。また、関節に負担が掛からない動きができるので、ケガ予防にも役立つ。
1.4ポイント・ローテーションキック[左右それぞれ5〜10回ずつ]
やり方
体幹を締めつつ両膝を少し浮かせた四つんばいの状態から、対角線上の手と足を浮かせる。地面に着いている手と足を支点にしてカラダを開いたら、肩甲骨を寄せて腕を後ろに引きつつ脚を前に伸ばす。
ポイント
四つんばいになったときに体幹を締め、頭、背中、お尻が真っすぐな状態を作る。カラダを開いたときにも体幹が緩まないように体幹から四肢を動かす感覚を覚えていこう。
NG
極端に肩甲骨が下がり、腰が反った状態になると体幹が締まらず、体幹から四肢への連動につながらない。
NG
背中が丸まった状態も体幹に力が入りにくいので気をつけよう。
プラスアルファ
さらに、肘と膝をつける動作も加えると背中の動きも合わせて行えるので、より体幹全体を使って四肢を動かす感覚を養える。
2.ローテーショナルリーチスクワット [左右10回ずつ]
やり方
両肘を90度に曲げて腕を肩の高さに持ち上げて両脚を肩幅より広めに開いた状態で立ち、骨盤を回旋しつつ片方の脚に体重を乗せていく(サイドランジ)。下半身は安定させたままで、そこからさらに上半身を捻るようにして片方の腕は引き、もう片方の腕は前に突き出す。
ポイント
股関節と胸郭(胸椎)の回旋の連動を意識して行う。また、体重移動をしたとき、上半身を捻るときにカラダが前後左右にぶれないように注意しよう。
NG
体重移動のときに膝が外側に向いたり、必要以上に内側に入ってしまうとケガの原因になるので気をつけよう。
プラスアルファ
骨盤と上半身を捻りきったあと、体重を乗せた脚で地面を蹴り、今度は反対側にカラダを捻る。このとき、下半身、股関節、体幹、胸郭、腕の順番で連動させていき、地面を蹴った力を最後は指先に伝えるようにして伸ばす。動きの連動性だけではなく、力を伝導させる感覚も作ることができる。
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネスセンター所属。日本スポーツ協会アスレティックトレーナー。スポーツ傷害やコンディショニングを中心に、幅広い年齢層へパーソナルトレーニングを行う。そのかたわら、大学ラグビー部や高校野球部にトレーナーとして携わっている。
※2024年1月15日発行「アスリート・ビジョン#32」掲載/この記事は取材時点での情報です。
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