学生アスリート必見の筋トレ講座④股関節にアプローチ【トレーナーに聞いた】

限られた時間の中で成果を出すために、パーツ別のトレーニングを紹介してきたこの連載がパワーアップしてリニューアル! これまで鍛えたパーツを実戦でも使えるものにしていくための、動作を想定した部位別のトレーニング方法を紹介していきます。教えてくれるのは、八王子スポーツ整形外科の工藤トレーナーです。カラダを上手に動かせるようになりましょう。

今回は股関節にアプローチ

『走る・投げる・打つ・跳ぶ』といった運動の基本動作全てに関係する股関節は、学生アスリートだからこそトレーニングに取り組んでおきたい部位だ。股関節は前後や左右といった一方向だけではなく、回旋の動きが入る特徴的な関節である。股関節の動きが悪いと、腰椎や膝などが動きを代償してしまい、余計な負担がかかりケガにつながりやすい。トレーニング時には3D方向で動かすことを意識しよう。

股関節は、野球やテニスでボールを打つ、陸上で走ったり跳んだりするとき、そしてバスケットボールやサッカーなどで左右に動くときなどあらゆるスポーツで使われる。

1.ヒップローテーション[5往復]

やり方

左脚をカラダの前で90度に曲げ、右脚はカラダの横で90度に曲げて座る。骨盤は前傾させて背すじを伸ばす。左脚は最初のポジションのまま上半身を90度捻り、右の股関節を最大限開く(外旋)。次に左の股関節を閉じたら(内旋)、カラダを右脚のほうに90度捻る。反対も同様に行う。

ポイント

股関節を大きく、最大限に外旋、内旋させることがこのトレーニングの大事なポイント。そして、体幹を固定させ、左右の股関節を同時に動かさず、バラバラに分けて動かす意識で、できるだけゆっくり行おう。ゆっくりできるようになればなるほど、自分で股関節周りの筋肉をコントロールできている証拠になる。

できないときはコレ

上半身がぐらつくことで股関節の動きに集中できなかったり、大きく動かせない場合は、最初は床に手をついてカラダを安定させて行ってもOK。股関節の内外旋の動きを感じ取れるようになったら、両手を離して体幹を締めて行ってみよう。

 

2.エアプレーン [左右それぞれ10回ずつ]

やり方

上半身をゆっくり倒し、カラダを支持する脚と反対の脚が頭からかかとまでが一直線になるようにして片脚で立つ。その状態を維持したまま、右の骨盤を開き、閉じる。支持脚の膝は真っすぐのままキープ。体幹はしっかり締めて、股関節からカラダを開閉しよう。

ポイント

体幹を締め、膝や腰など股関節以外の部位(関節)は固定して、股関節だけを動かすのがポイント。これができることでケガの予防とパフォーマンスアップの両方の効果を期待できる。

OK

膝の向きは常に正面を向けておく

 

NG

膝が内側に入らないように。ケガの原因になってしまう

 

体幹の力が抜けて背中が丸まり、頭からかかとまでが一直線にならないのも、股関節に効かなくなってしまう原因になる

 

できないときはコレ

バランスが取れなければ、最初はイスや机に手を置いたり、壁に手をついたりして行っても良い。

工藤 陽介 さん
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネスセンター所属。日本スポーツ協会アスレティックトレーナー。スポーツ傷害やコンディショニングを中心に、幅広い年齢層へパーソナルトレーニングを行う。そのかたわら、大学ラグビー部や高校野球部にトレーナーとして携わっている。

※2023年4月15日発行「アスリート・ビジョン#29」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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