日本体育大学・髙澤理華選手 今年最大の目標、日本学生選手権で結果を残したい!誰にも負けたくないから、練習と体力アップとセルフケアは欠かせない【ゴルフ】

2021年に行われたゴルフの学生日本一決定戦「2021年度(第57回)日本女子学生ゴルフ選手権競技」では、単独首位で好スタートを切りながらも、最終的には13位タイに終わった日本体育大学の髙澤理華選手。今季はその悔しさを晴らしたいと雪辱に燃えています。そんな彼女の目標はプロテスト合格と、お世話になった方々への恩返し。天真爛漫な彼女のゴルフへの熱い思いをたっぷりと伺いました。

プロフィール

日本体育大学 ゴルフ部 髙澤理華

2001年11月25日、神奈川県生まれ。4歳でゴルフを始める。プロも輩出した開志国際高校(新潟)から、日本体育大学へ進学。昨年は神奈川県アマチュアゴルフ選手権女子の部で優勝し、学生日本一決定戦の日本女子学生ゴルフ選手権では13位タイ。

チーム仲はいいけれど、やっぱり誰にも負けたくない

ゴルフをはじめたきっかけ

―ゴルフを始めたきっかけを教えてください。
「4歳の頃にゴルフ好きの父の影響で始めて、スクールに入ってゴルフを学んでいました。ただ、中学生までは自発的に取り組んでいたというよりやらされている感が強かったです。ゴルフに対しての姿勢が変わったのは高校1年生の頃。ライバルが現れて〝負けたくない〟と強く思い始めるようなってからです。試合でスコアを出したい、頑張りたいと思うようになったのもその頃からです。
高校に入った頃は、プロになるために強豪校に入ったのに、なかなか結果を出すことができず、ゴルフ自体を続けていいのか葛藤することもありました。だからこそ、高校1年の冬に初めて全国大会に出場することができた時は本当にうれしかったです」

―開志国際高校時代に一番学んだことはどんなことでしょうか。指導者などご自身の成長に欠かせなかった存在がいたら教えてください。
「同期には日本代表選手やすでにプロとして活躍する選手もいたので、いろんな面で刺激を受けました。寮の部屋が同じだった本 明夏選手とは、よく夜に部屋にパターマットを敷いて練習をしたり、体幹トレーニングなどを一緒にやっていましたね。また、現在、プロゴルファーとして活躍している西郷真央選手も、高校は違いますが、“自分もさらに成長しないと”と刺激を与えてくれますし、尊敬できる存在です」

もっと成長するために

―日本体育大学への進学を決断した理由を教えてください。
「強いゴルフ部で自分を磨きたいという気持ちが強かったのですが、(河本)結さんや1学年上の(中島)啓太さんら実力のある選手が多く、ここでならさらに自分が成長できると感じたからです。啓太さんの、時間よりも質を重視する練習は、見ていて勉強になることが本当に多いです。私も打つだけの練習だけでなく、積極的かつ効果的にアプローチ、パターの練習もより取り入れるようになりました」

―ゴルフ部の良さはどんなところでしょう。
「選手間の仲がすごくいいところですね。いつも(練習の)時間の経過が早く感じますし、真剣ななかでも楽しさを感じられています。プライベートの時間でも仲がよくて、一緒にいることも多いですよ。
先輩後輩関係なく、スイングやコースマネジメントのことなど、何でも言い合える風通しのよさはこの部の良さだと思います。悪いところがあれば、『ここはこうやったらどうか』とアドバイスし合える。合宿などでコースをまわる時も、みんなでコースマネジメントを共有し合っています。もちろん一人で練習する時も集中しているのですが、仲間と一緒の練習はより身が入るような気がします。ただ、そのなかでも、やっぱりライバルでもあり、チームの誰にも負けたくないという気持ちも強くて。周りよりも練習して、試合ではチームのなかで一番いい結果を出したいという気持ちは常にあります」

坐骨神経痛持ちなので、腰のケアは必要不可欠

大学でのトレーニング

―髙澤選手は1日どんなスケジュールで動き、どんなトレーニングを行っているのですか。
「朝は8時~9時まで練習をして、授業後、16時~19時までが部活となります。基本的に練習内容は個人に委ねられていて、ボールを打たない日があってもいいですし、ひたすらアプローチ、パターに取り組む選手もいたり、同じ時間帯に練習をしていてもやっていることはバラバラです。また、トレーニングはトレーナーさんが作成したメニューを週替わりで実施。ハードなものではないのですがボールやチューブを使って体幹も鍛えています」

―大学生活とゴルフの両立はいかがでしょうか。
「入学したころは対面授業ではなくオンラインだったので、毎回かなりの課題が出ていました。夜の練習が終わった後、帰宅して課題に取り組んでいたのですが、内容が濃くてなかなか大変でした(笑)」

髙澤選手のある1日のスケジュール

試合に向けた課題への取り組み

―現在、髙澤選手が練習で取り組んでいるテーマはどんなことですか。
「技術面をさらに磨くことはもちろん、私は長い期間の試合になると、最終日に近づくにつれて体力が消耗して、疲れがプレーに出てしまう傾向にあります。それを改善するために、体力アップの一環として、ランニングや箱跳び、メディシンボールを使ったトレーニングに取り組んでいます。まだ、長期間の試合がないので、手応えについては何とも言えないのですが、これからの試合で確認しながら都度修正していければと思っています」

―カラダづくりに関しては、普段、食事やコンディショニングをどのように工夫されていますか。
「試合時の体力不足を解消したくて、大学での練習やトレーニング以外に週1程度、ジムに通っています。あと、お風呂では必ず湯舟に浸かりその日の疲れを取るようにしています。お風呂上りのストレッチも必須で、特に試合期間は入念に行っています。実は5年ほど前から腰が痛く、今は坐骨神経痛を患っているので、腰のケアは必要不可欠な日課です。
食事に関しては、実家住まいということもあり特に気にし過ぎず、食べたいものを摂るようにしています。こだわりはありませんが、試合の期間はパンよりも力が出そうなのでご飯派です(笑)。勝負飯は試合前日のお寿司。魚は喉に骨が刺さって苦手なんですが、お寿司はテンションが上がります!」

調子の波は誰にでもある、客観的な視点を大切にしてほしい

競技生活について、今後の抱負

―髙澤選手は今後、1人の大学生として、そしてゴルファーとして、どのように成長していきたいと考えていますか。目標を聞かせてください。
「昨年の日本女子学生ゴルフ選手権では、1日目でトップに立ちながらも、そこから順位を落としてしまって最終的には13位に終わりました。今年こそは日本学生ゴルフ選手権で結果を残したいです。また、3%という狭き門ですが、4年生になったらプロテストで合格してゴルフを始めた4歳から自分を支えてくれた家族にも、恩返しをしたい。もちろん、プロになった後も良い成績を残したいです」

―最後になりますが、同世代アスリートにメッセージをお願いします。
「調子の波は誰にでもあります。ただ、調子が悪い時にいかにブレない自分でいられるかが大切です。ゴルフは調子が悪い時が9割で、調子がいいことのほうがほとんどないのですが、『あの時練習していてよかったな』と思うことは多々あります。また、私自身、チームメイトからアドバイスをもらってプレーがよくなったことがあったのですが、自分では気づかない部分を周囲が気づいてくれることもあります。周りからの意見、客観的な視点を大切にしてほしいですね」

※「アスリート・ビジョン#26」掲載/この記事は取材を行った2022年5月時点での情報です

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