立教大学・松山雛子選手「競技以外にもいろいろな経験をすることが人間としての成長につながる」【ショートトラックスピードスケート】

2020年10月の全国大学ショートトラックスピードスケート競技会では、女子500mと1000mで銀メダルを獲得した松山雛子選手

昨季からナショナル強化選手A にも選出されている彼女は、自らスポーツ栄養を学び、その知見を競技に活かしています。何ごともポジティブにとらえ、積極的なチャレンジを続ける屈指の学生スケーターの魅力に迫りました。

松山雛子選手プロフィール

立教大学 体育会スケート部 松山雛子

1998年7月26 日、東京都生まれ。2019 年から日本スケート連盟ナショナル強化A・JOC オリンピック強化指定選手に選出。2019 年のユニバーシアード冬季大会ショートトラックスピードスケート女子3000m リレーで銀メダルを獲得。2020 年10 月の全国大学ショートトラックスピードスケート競技会の女子500m と1000m で銀メダルを獲得した。アスリートフードマイスター1級取得。

自分なりに目標を立てて、達成するまで続けるのがポリシー

―ショートトラックを始めたきっかけを教えてください。

「小さい頃からスポーツに限らず習い事をするのが好きで、小学 4、5 年生の頃にフィギュアスケート教室に通いました。1 番上のクラスを卒業し、更なるレベルアップを求めて、相模原のスケートリンクへ足を運ぶことに。そこで偶然ショートトラックのクラブチームの練習を目にし、猛スピードで滑る選手たちに憧れを抱き、始めました」

― 中学時代は強化合宿に参加したり、高校時代は全国大会に出場し上位進出を果たしました。競技を行う上で大切にしてきたことは。

「幼い頃から自分なりに目標を立てて、それが達成されるまで続けるというポリシーを持って、様々な習い事をしてきましたが、世界を目指すなど考えたことはありませんでした。でも、ショートトラックと出会い、全員がトップを目指す相模原のクラブチームに入部を決めたとき、自分も競技者としての覚悟を持って、世界大会でメダル獲得を目標に掲げました。

ただ、私は自分の人生の中にスケートがあると捉えていたので、常に競技以外にもいろいろな経験をすることが人間としての成長につながると考えています。ですから中学時代はオーケストラ部に入部しましたし、大学でもゼミや教育実習とスケートを両立していました」

― 立教大学への進学を決めた理由は。

「高校3年生で韓国にスケートで武者修行に行ったとき、様々な国から練習に来ている選手たちと交流するなかで、もっと文化について学びたいと思いました。立教大学のオープンキャンパスで石井(香世子)先生の授業を受け、これこそ私の学びたいことだと決断しました」

練習への取り組む姿勢を考えさせられたカナダ合宿

― 大学入学後、競技を行う上でターニングポイントとなったことはありましたか。

「大学1年のときに参加したカナダ合宿でカナダの選手の取り組み方が日本人とはまったく違うことに衝撃を受けました。カナダの選手たちはインターバル中に歌ったり、すごく楽しそうに練習をしていて、全体練習のメニューが終わるとすぐに帰宅。『自主練しないの?』と聞くと『コーチが練習を考えてメニューを組んでくれているから、それ が終われば、その日の目的は達成されたわけだし、やるべきことを終えたらすぐに帰ればいいじゃない?』っ ていうんです。

私はスケートを始めたのも遅かったので、常に人の3倍以上練習しなければいけない、何事も全力で挑むタイプだったんですが、そこで常識を覆されたというか……。果たして自分は練習時に意図を明確にしていたのかなと振り返るきっかけにもなりました

5大栄養素が揃ったバランスの良い食事をベースに

― スケートに求められるカラダ作りをどのように考え、実践していますか。

「ベースとなるスポーツ栄養はどの競技も共通していると思うのですが、競技特性や体質によって特化する部分や不足しがちな栄養素は異なってくるので、一人ひとりに合った栄養摂取が必要だと思います。

私が大切にしているのは、5大栄養素がしっかりと揃ったバランスのいい食事と摂るタイミングを意識した上で、不足しがちな鉄分とカルシウムの吸収率を上げるために、ビタミンなどの組み合わせや補食を摂り入れています」

―スポーツ栄養学の知識が活きていますね。

「高校までは細身でまったく筋肉がつかない体質だったのですが、大学で管理栄養士の方と出会って、スポーツ栄養をベースに食事を摂っていけば、競技に適したカラダ作りができることを知り、それ以来、自分から学んで実践しています。選手経験を活かしてスポーツ栄養の普及に携わりたいと思い資格も取得し、現在活動を始めています」

―コンディションで日頃から気を付けていることはどんなことでしょうか。

体温、体重、心拍数は記録してグラフにして毎日こまめにチェックしています。たとえば、心拍数が上がっていると疲労が見られるとか、不調の原因を探るツールとして非常に有効です。ストレッチやマッサージ、睡眠も質を意識して可能な限り時間を割くよう心がけています」

―松山選手の今後の目標を教えてください。

「現時点での一番の目標は、まだ出場経験がないW 杯に出場することです。その目標を達成できたその先に、五輪を目指してもっと成長したいなと考えています」

―そのために、今していることは何ですか。

「今よりも1周のラップを0.4 秒ぐらいは速くしたい。トップスピードを強化するため、安定したフォームで滑ることを意識しています。500 mのタイムなら44 秒台に入れるようになれば、国内トップ選手たちとも対等にレースができると思います」

―最後になりますが、学生アスリートに向けてメッセージをお願いします。

どんなチャレンジや経験も、自分次第で今後に活かすことができる。それに気づけるかどうかだと思います。だからこそ、少しの興味や関心から一歩踏み出すことを大切にして欲しいですね」

※「アスリート・ビジョン#20」掲載/この記事は取材を行った2020年11月時点での情報です

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