スピード・敏捷性を強化 !アスリートのためのヨガ入門

近年、トレーニングの一環としてヨガを取り入れるプロ選手やスポーツチームが増えています。それはパワー発揮やスピード強化など、理想のカラダの動かし方を手に入れるためにヨガが効果的だからです。今回はホットヨガスタジオLAVA のインストラクターであり、現役の空手選手でもある早川梨緒さんにスピード強化におすすめのポーズをご紹介いただきました。

筋力はあるのにスピードが出ない理由は?

俊敏に動けない原因は、筋肉をうまく使えていない、筋力を使う方向性が違うことがあげられます。まず下半身が安定し、股関節に負担が少ない範囲で、脚力を最大限に発揮できるカラダの使い方を体得する必要があります。そして、瞬時にカラダの向きを変える動作、静と動を繰り返す動作に対応できるためには、体幹が安定し、肩関節や肩甲骨の可動域が広く、体幹周辺の筋肉に柔軟性がある状態が理想的です。

戦士のポーズⅠ

1 マットの前方に脚を揃えて立ち、両手を腰に添える。
2 右脚を大きく後ろに引き、右足のつま先を45度外側に向ける。

★右脚のつけ根を前に少し押し出すようにして骨盤を正面に向け、左ヒザは軽くゆるめておく。

3 息を吸いながら両手を前から上げ、息を吐きながら左ヒザを曲げる。大きく胸を開いて5呼吸キープ(左右行う)。
★左脚はかかとの上にヒザがくるように、ヒザを真正面に深く曲げる。

5呼吸:吸って吐いてを1セットとして、5回繰り返す

POINT

❶股関節の可動域や脚の筋肉量は人によって様々なので、脚を後ろに引いた際に足幅や後ろ脚のつま先の角度は、左右の足裏に体重が均等にかかるように微調整する。
❷ヒザを曲げ両手を上げた際に骨盤が前傾すると、腰が反れて痛みを生じる可能性があるので、下腹部を引き上げ、骨盤を立てた状態でポーズをキープする。
❸首が前傾すると呼吸が浅くなるため、頭位をやや後ろに引き、首を真上に伸ばす。

ねじる三角のポーズ

1 マットの前方に脚を揃えて立ち、両手を腰に添える。
2 左脚を大きく後ろに引き、左足のつま先を45度外側に向ける。

★左脚のつけ根を前に少し押し出すようにして骨盤を正面に向け、右ヒザは伸ばしておく。

3 背筋を伸ばし、脚のつけ根から上体を前に倒す。
4 左手を床に遅り、ここで息を吸って背筋を伸ばす。

5 息を吐きながら上体を右にねじり、右手を上に伸ばし目線をその先に向ける。大きく胸を開いて5呼吸キープ(左右行う)。
★おへそを背中方向に引き込むようにしてお腹を薄くし、上体をねじる。

5呼吸:吸って吐いてを1セットとして、5回繰り返す

POINT

❶「戦士のポーズⅠ」の❶と同様
❷片手を床に着こうとして、腰が丸まったり、ハムストリングスを痛めたり、カラダが硬い人の場合は、ブロック等を手の下に置いて高さを出し、背筋を伸ばすことを優先する。


早川梨緒さん
駒澤大学卒業後、2017 年にホットヨガスタジオLAVAを運営する、LAVA International に入社。学生時代にヨガと出会う。現在はヨガインストラクターとして活躍する傍ら、実業団の試合や日本代表として海外試合にも出場。船越義珍杯第14 回世界空手道選手権大会 一般女子形 第3 位/団体女子形 優勝、第36 回全日本実業団空手道選手権大会 形競技 女子個人戦 ベスト8

「空手部に所属していた大学時代は、筋トレでカラダの前面の筋肉ばかり鍛えていたせいか、「後ろから見ると動きが弱い」とよく指摘されていました。姿勢が悪いと指摘されることも。ヨガを続けるようになってからは、カラダの背面の筋肉を意識できるようになり、引く動作に強さが出てきたと感じています。」

取材協力 ホットヨガスタジオLAVA

日本最大級のホットヨガスタジオ。現在全国で400 店舗以上を展開。40 種類以上のヨガプログラムがあり、体調や気分に合わせて好きなプログラムが選べる。全米ヨガアライアンス認定アカデミーFIRSTSHIPも運営している。

ポーズ監修 FIRSTSHIP講師 岩田阿香里さん

※2021年1月15日発行「アスリート・ビジョン#20」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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