インタビュー

モーグル原大智「カナダのスキー留学で徹底的に鍛えた体幹パワーでブレない安定したカラダ作り」【日本大学】:Athlete INTERVIEWS

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原大智(フリースタイルスキー・モーグル)アスリート・ビジョン

記憶に新しいのが2018年2月の冬季平昌五輪だ。ダイナミックなエアと安定したターンで見る者を魅了。男子モーグル史上初の銅メダルに輝いた。歳でカナダに単身スキー留学。そこでスキルを磨き、体幹トレーニングで肉体を強化した。大きなケガも経験した。モーグル界のホープは、どうやって壁を乗り越えてきたのか。その素顔に迫った。

原大智(フリースタイルスキー・モーグル)

Athlete INTERVIEWS :モーグル原大智「カナダのスキー留学で徹底的に鍛えた体幹パワーでブレない安定したカラダ作り」【日本大学】
1997年3月4日、東京都渋谷区生まれ。小学6年の頃から本格的にモーグルを始める。中学を卒業すると、単身でカナダにスキー留学。2016年にはワールドカップの年間ランキングで8位に入る。2017年のアジア冬季競技大会で銀メダルを獲得。2018年の平昌五輪の男子モーグルで銅メダルを獲得し、この大会の日本勢メダル第1号となった。

 

平昌五輪で銅メダルを獲得表彰台は夢のような場所だった

アスリート・ビジョン Athlete INTERVIEWS :モーグル原大智「カナダのスキー留学で徹底的に鍛えた体幹パワーでブレない安定したカラダ作り」【日本大学】
――まもなく平昌五輪から1 年が経ちます。

「鮮明に覚えています。決勝から表彰式まで、一連の流れをはっきりと思い出せます」

―決勝の3回目は最終滑走でしたが、とてもリラックスされていましたね。

「緊張はあったと思うんです。心臓のドキドキという鼓動が聞こえてきたくらいですから。でも、逆に考えると、心臓の音が聞こえたということは、それだけリラックスしている証拠です。実際、頭は冷静で、楽しくてしょうがなかった。早く滑りたいという気持ちがすごく強かったことを覚えています」

―滑り終わった後、電光掲示板に得点が表示されるまでは、緊張を強いられる時間でしたね。

「あの時はドキドキでした(笑)。優勝したミカエル・キングズベリー選手(カナダ)とは点差が離れていたので、そこに到達するのは難しいと思っていました。できれば2位、せめてメダルを獲得したいという気持ちでした」

―表彰台から見る景色はいかがでしたか?

「夢の中にいるような気分でした。日本の国旗が上がる瞬間は、自分が成し遂げたことだと信じられなくて、夢なら覚めないでほしいと思っていました」

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安定して滑れるカラダへ体幹を鍛えてケガを克服した

―原選手は中学卒業後、カナダにスキー留学されていますね。どこが一番成長しましたか?

「体幹です。2016 年にワールドカップの年間ランキングで8 位に入りました。その時にウェイトトレーニングと体幹トレーニングをものすごくやっていたんです。そこが身体的な変わり目だと思います」

―肉体を強化することで、滑りにはどんな影響がありましたか?

「モーグルは採点競技で、特にターンは『最短距離を滑っているか』『下半身の吸収動作』『滑りの質』『上半身のバランス』といったことが採点基準になります。上半身は頭を見られていて、滑っている時に頭がブレると減点対象になる。その意味では、筋力や体幹が強くなったことで、スタートからゴールまで安定して滑れるようになりました」

―これまでの競技人生で、大きなケガをしたことはありますか?

「17 歳の頃にジャンパーひざになって、それが今までで一番しんどかったです。ジャンプの着地など同じ動作を繰り返すことによって起こる障害で、2 年くらい続きました。痛い時は片足を引きずらないと歩けないくらいで、それがなかったら、もう少し苦しまずに練習できたと思っています」

―どうやって克服したのですか?

「筋力をつけることですね。ケガに耐えられるカラダにするために、筋力をつけてカバーするイメージです。当時もトレーナーから『体幹が弱いからひざを痛めるんだ』と言われ、腹筋のトレーニングを多く取り入れました。ケアもしていたのですが、それだけでは治りませんから」

―食事で心がけていることはありますか?

「バランスよく食べることで、あまり偏らないようにしています。カナダに留学している時は芋と肉しか食べていないイメージです(笑)。でも今思えば、それによって自分のカラダが作られていった。ホームステイ先ではパスタや魚も出たけど、大体はポテトとステーキ。筋トレをした後は、しっかりとタンパク質を摂っていました。また、アミノ酸がいいことはわかっていたので、五輪前はよく飲んでいました」

大事なのは全力で取り組むこと。夢は北京五輪の金メダル

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―私生活の面では、2017 年に日本大学のスポーツ科学部に入学しました。

「引退した後のことを考えました。競技人生よりも、その後の人生の方が長いですからね。大学をリラックスの場にしたいという思いもあります。ただ、今は海外で過ごす時間が長く、学生生活は楽しめていません(苦笑)。スポーツ科学部を選んだ理由は、メンタルやカラダの構造について学ぶことで、競技のパフォーマンス向上につながると思ったからです」

―近い目標をどこに置いていますか?

「ワールドカップで優勝することと、世界選手権で優勝することです。総合チャンピオンにもなりたい。それが今の近い目標です」

―3 年後には冬季北京五輪が開催されます。

「平昌五輪では金メダルを取ることができませんでした。やはり、今度こそ金メダルが欲しいという思いが強いです」

―最後に、学生アスリートにメッセージをお願いします。

「大事なのは、今やっていることに全力で取り組むこと。それだけだと思います。最後までやり遂げたら、得るものは必ずあります。例え失敗したとしても、得るものがあれば次につながるでしょう。僕自身がそうでした。もしかしたら、それまでの努力が別のところで報われるかもしれません。とにかく全力で頑張ってほしいと思います」

※2019年1月10日発行「アスリート・ビジョン#12」掲載/この記事は取材を行った2018年10月時点での情報です

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