骨盤の歪みを改善し、股関節の可動域を拡張!アスリートのためのヨガ入門

近年、トレーニングの一環としてヨガを取り入れるプロスポーツ選手やスポーツチームが増えて います。それは理想のカラダの動かし方を手に入れるためにヨガが効果的だからです。今回はホットヨガスタジオLAVA のトップインストラクターで、学生時代は12 年間バトントワリングを続け全国大会にも出場経験のある木下夏美さんに、骨盤の歪みの改善や予防、股関節の可動域を広げるオススメのポーズをご紹介いただきました。

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積極的にカラダを動かす休息方法

カラダの中心に位置する骨盤の歪みは、アスリートはもちろん、カラダの使い方の癖が積み重なることで、誰しもに起こり、一部に負担がかかることによって痛みや怪我が生じやすくなります。骨盤を本来あるべき位置に戻し、ニュートラルな状態にすることで、より機能的にカラダを動かすことが可能となり、競技の質の向上のみならず、怪我も予防することができます。また、上半身と下半身をつなぐ股関節は、周辺の筋肉の衰えや血行不良などで可動域が狭くなり、過度な負荷により痛みが生じやすい箇所です。可動域を拡大し、その状態を維持することは、アスリートが競技を長く続ける上での重要な要素です。

一本足のポーズ

目的
体幹(腸腰筋)収縮による強化、ハムストリングの伸長による柔軟性の向上、中殿筋の収縮による強化

1 脚をそろえて真っすぐ立ち、両手を腰に添える。
2 足の付け根の腸腰筋を意識して、左膝を胸に引き寄せ、左足の親指をキャッチする。

かがんで足を迎えにいかないよう、骨盤は立てて背筋をできるだけ伸ばしたままで、親指を掴むようにする。軸足は親指側に重心をかけ、膝は少し曲げるなど遊びを持たせる。

POINT

左手の人差し指と中指で左足の親指を掴む。

3息を吸って背筋を伸ばし、息を吐いて左脚を前に伸ばす。この状態で3呼吸キープ。
☆左右反対側も同様に行う。

軽減法

親指が掴みづらい場合や背中が丸まる場合は、ヨガベルトやタオル等を足裏にかけ片手で掴むと良い。上げた脚の膝は曲がっていてもよいが、腿の前側をお腹に近づけるようにして、腸腰筋を縮めることを意識する。

脚を伸ばそうとして骨盤が後傾したり、左右の高さが極端に異なるなどはNG。骨盤が傾いていると思ったときは、ヨガベルトなどを使用するなど無理をしない。

トカゲのポーズ

目的
体幹(腸腰筋)の伸長、内転筋の伸長、大殿筋と深層外旋六筋の導引

1 手は肩幅、足は腰幅に開いて、床に四つんばいになる。
2 右足を前に出し、両手の間、右手のすぐ横につく。

3 後ろ足のつま先を立て、脚のつけ根が伸びるところまで膝を後ろに引く。右足を右手の外側に踏み出し、つま先と膝を外に向ける。息を吸って背筋を伸ばし、息を吐いて腰を真下に落とす。
☆左右反対側も同様に行う。

LEVEL UP

太ももの内側の伸びに余裕があり、背筋を伸ばしたまま肘を床につけそうであれば、上体を下げて肘下を床につける。

木下夏美さん
学生時代12 年間バトントワリングを続け、全国大会にも出場経験あり。競技から離れたのち、ヨガに興味を持ってLAVA に入会。その後、2016 年4月に入社。東京、愛知、福岡、神奈川など全国各地の店舗でクラスを担当する。ムドラーヨガ指導者育成講座修了。カラダの変化だけでなく、気持ちが前向きになるようなレッスンを心掛けており、オンラインヨガサービス「うちヨガ+」のクラスも担当している。

バトントワリングでは、右手でバトンを上げて、常に左周りをするといった同じ動作が多く、しかもハード。怪我が多く、中学時代から腰痛に悩まされていました。競技引退後に、腰痛の改善と運動不足解消のためにヨガを始めました。腰痛改善だけでなく、1 年で10kg の減量に成功。姿勢もよくなり、身長も伸びました。競技者時代は左右のカラダの歪みに気付けていませんでした。もしヨガを知っていれば、自分のカラダを客観視できて、怪我を未然に防げたかもしれません。ヨガは、自分のカラダを知ることができるのでアスリートにオススメです。


取材協力 ホットヨガスタジオLAVA

日本最大級のホットヨガスタジオ。現在全国で440店舗以上を展開。40 種類以上のヨガプログラムがあり、体調や気分に合わせて好きなプログラムが選べる。全米ヨガアライアンス認定アカデミーFIRSTSHIPも運営している。

ポーズ監修 FIRSTSHIP講師 岩田阿香里さん

※2021年7月15日発行「アスリート・ビジョン#22」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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