アスリートとはいえ、学業やアルバイトとの両立で忙しいのが大学生。トレーニングをする時間が足りず、悩んでいる人も多いはず。そこで、効率的にカラダを鍛えられるトレーニングを、八王子スポーツ整形外科のアスレティックトレーナー西山朋さんに話を伺いました。
【2019年4月10日発行「アスリート・ビジョン #13」掲載】
西山朋(にしやまとも)さん
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネス部門アスレティックトレーナー。これまで東京ヤクルトスワローズのアスレティックトレーナー、男子ソフトボール日本代表、7 人制ラグビー日本代表、オール三菱ライオンズなどのトレーナーを歴任。
時間を有効に使って、効率よく体を鍛える
トレーニングが苦手、あるいは時間がないという人も多いのではないだろうか。例えば、局部を集中的に鍛えようとすると、トレーニングの数が増えて効率が半減することがある。それよりも、一つの動作でいろいろな部位に刺激が加わった方が効率的だ。ここでは短い時間の中で、できるだけ無駄を省いたトレーニングを紹介。空いた時間を利用して、賢くカラダを鍛え上げよう。
1. フロントブリッジ [30秒/1セット~]
横から見たときに、頭からかかとまでが一直線になっていることがポイント。お腹、お尻、肩甲骨周りの筋肉が同時に鍛えられる。強度の高いトレーニングではないので、朝昼晩に三度行っても効果的。大きな動きに入る前のウォーミングアップとして行ってもいい。
Variation
物足りない人は、片手を上げて行うと強度が上がる。肩甲骨周りにも刺激が加わる。指先からかかとまでを一直線にしよう。
2. サイドブリッジ[30秒/1セット~]
ひじを肩の真下でキープしたまま、頭から両足までのラインをまっすぐにする。目線は正面。上側の手を腰に当てると、バランスが安定する。お腹の下側により刺激が加わる。①のフロントブリッジより負荷はかかるが、30 秒はできるようにしたい。
Variation
片側の足を上げることでバランスが取りづらくなり、お尻周りの筋肉に刺激が加わりやすくなる。
3. ヒップリフト[45秒/1セット~]
仰向けになり、ライン上にお尻が納まるように、肩からひざまでを一直線にする。ひざは90 度。つま先は上げ、かかとで支える。お尻、ハムストリングス(太ももの裏側)、背中から腰にかけての筋肉に刺激が加わる。
Variation
片足を上げると、体を支えるポイントが少なくなり、より負荷がかかる。
4. オーバーヘッドスクワット [15回/3セット~]
背筋を伸ばしたまま、体をまっすぐ下ろす。そのまま体の上げ下げを繰り返す。肩幅よりも広げた手を上げているのがポイント。こうすることで胸を張ることにつながり、肩甲骨周りに刺激が加わる。足の曲げ伸ばしの際に、姿勢を乱さないことが大事。動作はできるだけゆっくり、大きく行うこと。体幹が安定した状態で下肢を稼動させる。
【POINT】トレーニング後の栄養補給も重要
効率よくカラダを鍛えるには、運動直後30分以内。このタイミングを逃さずに、エネルギー源となる糖質と筋肉の材料であるタンパク質(アミノ酸)を摂ると、消耗したカラダの回復がスムーズに進む。
※2019年4月10日発行「アスリート・ビジョン#13」掲載/この記事は取材時点での情報です