猛暑を攻略!夏を味方につける食事と水分補給②【栄養のプロに聞いた】

学生アスリートにとって、追い込みシーズンである夏。一方で、厳しい暑さやハードなトレーニングによりコンディションを崩しやすい時期でもあります。疲れやバテに先回りして、最高の状態で本番を迎えるために。夏に起こりやすいカラダのトラブルを攻略する食事・水分補給を学んでいきましょう!

猛暑を攻略!夏を味方につける食事と水分補給①

食事から暑さに負けないカラダをつくる!
夏こそ摂りたい栄養素とその働き

バテを防ぐために、夏のカラダをサポートしてくれる栄養素を解説。日々の食事で積極的に取り入れて、暑さを乗り切りましょう。

たんぱく質

夏はエネルギーの消耗が多くなる一方で、麺類などのさっぱりした食事に偏りがち。エネルギーと栄養が不足しやすいので、まずはカラダをつくる元になる「たんぱく質」をしっかり補給する必要があります。納豆や豆腐などの大豆製品や卵、脂身の少ない肉・魚などは、食欲が落ちている時でも食べやすいのでおすすめです。

ビタミンB群

体内の代謝やエネルギー生産に欠かせない栄養素。スタミナをつけるためにも「ビタミンB群」は複合的に摂取することがポイント!肉やレバー、魚貝類などから摂ることができます。

イチ推し

餃子は、ビタミンB群を含む豚肉とニラやニンニクなど の薬味、ビタミンCが豊富なキャベツ、さらには皮で炭水化物も摂れる理にかなったメニュー。麺類などの単品食べでおかずが不足している時に追加して欲しい一品。

冷凍餃子なら焼くだけなので簡単!スープに入れて水餃子風も◎

汗をかいて鉄が排出されると、ヘモグロビン値が下がって貧血状態に。貧血からくる疲れを予防するためにも、鉄を多く含むレバーや、マグロ・カツオなどの赤身魚を摂るようにしましょう。

ミネラル(ナトリウム・カリウム)

汗で排出されるナトリウム(塩分)やカリウムは、野菜や海藻類で補いましょう。茹でると流れ出てしまうため、サラダなど生で摂るのがベスト!

ビタミンA・C・E

特に屋外競技の場合は、日焼けによるダメージにも気をつけたい。抗酸化成分を多く含む「ビタミンA・C・E(エース)」を摂って、カラダの内側から予防・緩和を。色の濃い緑黄色野菜や果物を中心に、オリーブオイルなどの植物油、ごまなどをちょい足しするのもグッド。

クエン酸

お酢や梅干しなどに含まれる「クエン酸」は、だ液の分泌を促し、食欲を増進させる働きがあります。酢の物などはさっぱりしていて、練習後も食べやすい!

イチ推し

マグロの赤身はあっさりしているのに旨味があり、栄養豊富な優れもの。長芋には、体内の消化に関わるアミラーゼが含まれているので消化能力が低下する夏にピッタリ。マグロと山かけを組み合わせて食べると相乗効果も◎

鉄火巻きや鉄火丼、山かけ丼などは炭水化物も一 緒に摂れて効率的!

朝食に食欲がない時に、疲労回復にも
今すぐできる“ちょい足し”でバテ対策!

お茶漬け

寝ている間にも汗をかくため、朝食では水分も補いたい。お茶漬けはエネルギー源となる炭水化物と水分が補給できて一石二鳥。さらに鮭フレークや梅干しなどの具材を追加して栄養バランスもアップ!

スープ

内臓が疲れやすい夏は、消化に負担の少ない汁物を味方にしよう。インスタントのミネストローネやクラムチャウダーにご飯とチーズを入れリゾット風にすれば、炭水化物も一緒に摂れてエネルギー量もアップ

冷奴

たんぱく質源の豆腐に、おくらや納豆、めかぶ、なめたけなどをのせるだけで、さらっと食べやすいお手軽メニューに。「ねばねば食材」は水溶性の食物繊維が豊富で、腸内環境も整えてくれます。

豚キムチ

ビタミンB群が豊富な豚肉とその働きを助けるアリシンを含むキムチとの食べ合わせは、餃子と同様に合理的。ご飯や素麺にのせて、焼きそばの具材にして、スタミナアップメニューに変身!

茶碗蒸し

最近はコンビニなどでも手に入る茶碗蒸しで、朝に不足しがちなたんぱく質を補給。のど越しもよく、食欲がないときにも最適!

※2024年7月16日発行「アスリート・ビジョン#34」掲載/この記事は取材時点での情報です。

柴崎真木さん(管理栄養士)柴崎真木さん【管理栄養士】
アトランタ五輪を目指す競泳選手への食事アドバイスをきっかけにスポーツ栄養士へ。現在はジュニアからトップアスリートまで、さまざまなスポーツの栄養サポートに携わる。ロンドンでは競泳、男子柔道の日本代表チームの栄養サポートを担当。

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