熱帯夜でもぐっすり眠れる!真夏の快眠メソッド【睡眠のプロに聞いた】

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睡眠不足が続くと、パフォーマンスに影響することはよく知られています。また、睡眠の質が下がると、「集中力が低下する」「ミスをしやすくなる」「疲れやすくなる」「イライラする」「自己肯定感が低下する」などさまざまなデメリットがあります。では、どうすれば質のいい睡眠が得られるのか。睡眠のスペシャリストとして多方面で活躍する三橋美穂さんに夏でも快適に眠れる7つのポイントをあげてもらいました。

どうして夏は寝苦しくなるの?

質のいい睡眠を得るポイントは体温です。眠りにつく時は、深部体温(脳や内臓といった体内の温度)を下げることで、カラダが休息状態になります。そのため、深い睡眠を得るためには、皮膚の表面から汗をかいて熱を逃し、体温を下げなければなりません。ところが、夏は部屋が蒸し暑く、汗が蒸発しにくいので深部体温があまり下がりません。それが夏場は寝苦しくなる原因で、眠りにくくなったり、熟睡ができなかったりします。

夏でも快適に眠れる7つのポイント

POINT1:エアコンは一晩中つける

設定温度は26〜28℃がオススメ。省エネに配慮しつつ、多くの人が快適に眠れる温度です。28℃を越えると夜間熱中症のリスクも高まるので、エアコンは一晩中つけておきましょう。エアコンをつけると「カラダがだるい」「寒い」と感じる人は、パジャマなどで、自分の体質に合わせて調整してください。

POINT2:頭を冷やす

人がリラックスしているとき、頭部は涼しく、足部は暖かくなっており、この状態を“ 頭寒足熱(ずかんそくねつ)”といいます。頭部の冷やし方は、冷蔵庫で冷やした保冷剤をハンカチやタオルで包み、「ひんやりして気持ちがいいな」と感じる程度に調整するといいでしょう。扇風機の微風を頭部に当てるのも、頭を冷やす方法の一つ。その場合、入眠にかかる時間を考慮して、タイマーを30〜60分程度で設定します。

POINT3:夏でも湯船につかる

湯船につかるタイミングは就寝の1〜2時間前が理想的です。38〜40℃のお湯に15分程度つかりましょう。入浴することで上がった体温が急速に低下するため、眠気が強くなり、熟睡感が高まります。夏場はシャワーだけで済ませる人は、バスタブに43℃くらいの熱めのお湯を張って足湯をしながら浴びるのが効果的。お湯は10センチ以上、くるぶしの上まで張ります。

POINT4:寝具は夏用のものを

夜中に目が覚める原因の一つは、布団に密着した背中が蒸れることです。涼感がある麻や楊柳のシーツ、通気性がいい敷きパッド、マットレストッパーなど敷き寝具を整えてください。カラダを動かすたびに熱が逃げていくので、寝心地のよさがアップします。

POINT5:横向きの姿勢をとる

横向きで寝ると背中がマットレスに密着しないので蒸れにくく、夜中に目が覚める中途覚醒を防げます。抱き枕を使うと、横向きで寝やすくなり、背中の通気性も確保できます。また、わきの下、ひざの間にも隙間ができて、涼感が得られます。胸の圧迫も防げるので、呼吸が楽になる効果もあります。

POINT6:ペパーミントの香りが効果的

ペパーミントの精油(エッセンシャルオイル)には体感温度を4℃下げるという実験結果があり、良質な睡眠効果が得られることは広く知られています。ただし、ペパーミントだけだと覚醒作用があるので、睡眠効果を期待するためにはラベンダーとブレンドするといいでしょう。

POINT7:他人との体感温度差を調整する

寮で複数の人と一緒に生活している学生アスリートも多いと思いますが、「暑がりの人」「寒がりの人」など温度の感じ方はさまざまです。暑がりの人が薄着になったり、寒がりの人が厚着になるなど、着るもので調整してください。暑がりの人はタオルケットにするなど、かけ布団の保温性で差をつけるのも一つの方法です。

オススメの入眠法

4・7・8呼吸法

4カウントかけて息を吸い、7カウント止め、8カウントかけてゆっくり息を吐き出します。これを4〜10回繰り返してください。ポイントは、吸う息より吐く息を長くすること。カラダの力が抜けて、自然に眠りのスイッチが入ります。自分が楽に感じるペースで行うのがコツです。

ツボを押す

睡眠に効果的なツボは数多くあります。その一つが、頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」。4本の指(片手2本ずつ)で息を吐きながらカラダの中心に向かって押し、息を吸いながら力を抜いていきます。目安としては10回くらい。自律神経を整える働きがあるため、入眠だけでなく、目覚めに押しても。

三橋美穂さん
快眠セラピスト、睡眠環境プランナー。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書は『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)など多数。

※2022年7月15日発行「アスリート・ビジョン#26」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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