学生アスリート必見の筋トレ講座②中臀筋にアプローチ【トレーナーに聞いた】

部活動や学業で忙しい日々を過ごしている学生アスリート。「トレーニングの時間が足りない」という悩みを抱えている人も少なくないと思います。限られた時間の中で成果を出すには、鍛えたいパーツにフォーカスを当てて効率よくトレーニングをするのがポイント。ムダなくできるパーツ別のトレーニングを、八王子スポーツ整形外科の工藤トレーナーに教えてもらいます。

今回は中臀筋にアプローチ

骨盤上部から大腿骨につながっている筋肉で、骨盤を安定させてカラダのバランスを保つ筋肉。中臀筋が使えないとひざや腰の故障につながることもある。左右への素早い重心移動が伴うスポーツや、カラダを捻る(回旋)動作時に効果を発揮する。走るときにも使われる万能な筋肉なので、アスリートは意識してトレーニングやケアをしたい。

1.ローオブリークシット[中臀筋]10~15回

やり方

肩の真下でひじをついて横向きになる。下側にある脚の股関節とひざをそれぞれ90度に曲げ、上側の脚はひざを90度に曲げる。このとき、上側にある肩とひざが一直線になるようにしよう。手を腰に当て、骨盤を前方(下側の太もも)に向かって捻る。ここで中臀筋がストレッチされているのを感じたら、中臀筋を使ってお尻を持ち上げて、ひじとひざの2点でカラダを支える。

ポイント

胸を張って助骨を開こうとすると、腹斜筋に刺激が入らない。肩甲骨を広げ、肋骨を締め、お尻を斜め後ろに引いていくイメージ。お尻を引くことで肩の角度が変わり前鋸筋が伸びるため、より負荷がかかりやすい。胸が張って肩甲骨を広げられないと前鋸筋に刺激が入りづらいので注意しよう。

お尻を持ち上げてから、上側の脚のひざを90度にしたまま前に持ってくると中
臀筋への負荷が高まる。お尻は浮かせたままで行おう。

上半身だけが前に倒してしまうと中臀筋がストレッチされないので気をつけよう。

2.ローテーショナルスクワット[中臀筋]10~15回

やり方

脚を肩幅に開いて立ち、片脚に体重を乗せるようにして骨盤を捻りながら軽くスクワット(写真では右側に向かって骨盤を捻る)。ここで中臀筋がストレッチされていることを感じ取ろう。次に、骨盤を反対側(写真では左側)に向けて捻り
ながら床を押して脚を伸ばす。

ポイント

股関節を曲げたとき、中臀筋だけではなく大臀筋やハムストリングスも伸びている感覚があると良い。骨盤を回旋する際は両ひざが正面を向くように固定する。

股関節を伸ばしたときに腰が反ると、股関節の回旋ではなく腰椎での回旋や反りになることで腰を痛めてしまうため注意しよう。

工藤 陽介 さん
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネスセンター所属。日本スポーツ協会アスレティックトレーナー。スポーツ傷害やコンディショニングを中心に、幅広い年齢層へパーソナルトレーニングを行う。その傍ら、大学ラグビー部や高校野球部へもトレーナーとして携わっている。

※2022年10月15日発行「アスリート・ビジョン#27」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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