日本女子体育大学 ソングリーディング部【注目チーム紹介 vol.44】

第21回全日本チアダンス選手権大会では、大学生編成チャンピオンを獲得し、USA School & College Nationals 2022では、大学編成Danceグランプリを獲得。国内外の大会で一糸乱れぬ演技を披露し、観客を魅了している日本女子体育大学ソングリーディング部『GRINS』。ダンススキルはもちろん、チームの一体感、技の正確性、そして熱いスピリットも審査対象となる競技でトップを走り続ける選手、監督、トレーナーにチームづくりやトレーニングについて伺いました。

チームの一体感や熱いスピリットで観客を魅了する

日本女子体育大学ソングリーディング部

部員82名。結成15年目。第21回全日本チアダンス選手権大会の大学生編成チャンピオン、USA School & College Nationals 2022 大学編成 Danceグランプリを獲得するなど、国内外の大会で活躍している。

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ソングリーディングのやりがい、楽しさを全うしてもらいたい/小沼 舞 監督

目標は大切ですが、それ以上に過程が重要だと考えています。演技を通して、見ている方々がグッとくるような、心に残る、人に伝わる演技が出来たらいいなと思っています。また、同時に彼女たち自身が自分の可能性を認め、それをチームに還元できるように、そしてなによりも、ソングリーディングのやりがい、楽しさを全うしてもらいたいと思います。

 

見ている方々にパワーや笑顔を届けたい

大学ではスポーツの指導法や栄養学、マネジメントなどを学んでいます。それを競技でも生かせることが魅力だと思い、入学しました。この先もずっとダンスに携わりたいと考えていて、いつかは本場アメリカに留学してダンスを学ぶことも視野に入れています。チーム全員で協力して創り上げる作品、自分たちの演技で、見ている方々にパワーや笑顔を届けたいです。

戸崎里菜さん 4年/横浜創英高校出身。小学校でソングリーディングを始める。健康スポーツ学科に在籍。2年時には副主将を務め、2021年度は主将を務めた。

関わってくださるすべての方々への感謝

主将として心掛けているのは、みんなが同じ方向に進んでいくことです。ただ、強制的にというよりも、部員一人ひとりの個性を大切にしています。まずは踊っている私たちが「やりきった」と思えるような演技をすること、そして自分たちの踊りで監督や先生方、トレーナー、家族など、関わってくださるすべての方々への感謝を表し、恩返しがしたいです。

筒井 純さん 3年 主将/武蔵野大学高校出身。幼少期からチアダンスを始め、高校時代には世界大会にも出場。その時に観たGRINSの世界一の演技に感動し、憧れを抱いた。大学ではダンス学科に在籍。

CLOSE UP/ 栄養

個人が高い意識を持って栄養管理を徹底。食べる時間や内容もチームで共有

食事に関しては各自の自己管理に任されているが、大学では1年時に栄養学の授業が必修になっているため、選手たちの意識は高い。「甘い飲み物は避けたり、疲労回復のためにオレンジジュースやビタミンを摂るようにしています」(戸崎選手)。「私は筋肉がつきにくい体質なので、たんぱく質はどのタイミングでどれぐらいの量を摂るのが適しているかを意識しています。また、エネルギーを消費する練習前にはバナナやゼリーなどで栄養を補給しています」(筒井選手)。大会の前には部員全員のLINEのノートで、食事を摂った時間や何を食べたのかを報告し、トレーナーとも共有。その後、トレーナーの指示を仰いで、改善点を共有している。

ある日の朝食。糖質をメインに、おかず、果物も十分に摂り、集中力の向上や怪我の予防に繋げる。

昼食では、糖質、たんぱく質、野菜と品数を揃え、単品だけにならないように注意する。

夕食ではたんぱく質、ビタミン、ミネラル、糖質を摂取し、朝・昼の不足分を補い、1日の疲労を回復する。

CLOSE UP/ トレーニング

トレーナーと密に連絡を取り。万全の状態で日々の練習に臨む

全体練習が行えない時期は、各自、自宅からオンラインを利用して体幹トレーニングやバレエを行った。通常の練習では基本的に40~50分程度の体幹、有酸素などの基礎トレーニング後、バレエ、そして作品練習と細かくメニューが組まれている。基礎トレーニングは演技の動画をチェックしたトレーナーの指導の下、2ヵ月に1度程度の割合で変化させ、その時々に必要なものをメニューに取り入れている。怪我人が出た場合も、すぐに連絡できるよう日ごろからトレーナーと密に連絡を取っているが、そういった体制は、選手たちが安心して練習できる環境につながり、大きなアドバンテージになっている。

選手全員、最初にカルテのようなものを作成し、その後、定期的にチェック。選手の悩みや抱えている痛みに応じて、トレーニングメニューを変えるなど、完全オーダーメイド。この競技は連続した動きが要求され、関節や筋肉に高い負担がかかります。傷害予防やハイパフォーマンスに繋がることを意識したメニューを常に考えています。(渡邊美之トレーナー)

 

CLOSE UP/チームづくり

体幹係、怪我係など部員各自が役割を持ち。頻繁に連絡を取り合って課題改善へ

3年生を中心に役割が分担され、主将、副主将に加え、主務、副主務、会計、副会計のほかに、衣装係や渡邊トレーナーと密に連絡を取り合いながらトレーニングメニューを組む体幹係、怪我人の復帰までを管理する怪我係など、部内の係は多岐に渡る。現在はコロナウイルスの影響でA~Cの3つのチームに分かれ、時間差で練習を行っているが、「3チームみんなで一緒に練習することができないので、どうしてもチーム間の繋がりが薄くなりやすいのが課題」(筒井選手)。そんな時もオンラインなどを利用してお互いの経験や実体験を共有し、各々が抱えている悩みや課題の改善に努めている。「82人全員で『GRINS』ということを、もっとみんなで感じられるよう意識したい」と彼女たちは意気込む。

 

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※2022年10月15日発行「アスリート・ビジョン#27」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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