順天堂大学 男子バレーボール部【注目チーム紹介vol.38】

2021年度の全日本インカレで準優勝を果たすなど、常に大学バレーボール界の上位を走り続けている順天堂大学バレーボール部。東京大会に出場した藤井直伸(東レアローズ)をはじめ、数多くのVリーガーを輩出してきました。2017年度に飯塚初義監督が就任。選手の生活面の見直しからはじめると、翌2018年度は春季1部リーグで12チーム中4位に入りました。チーム躍進を支えた取り組みについて、監督、主務、選手から話を聞きました。

目標は日本一! 目的は「社会に通じる人間性」の確立!

順天堂大学 男子バレーボール部

部員数は34名(マネジャー2名、アナリスト3名、トレーナー1名)。1955年創部。2010年の全日本インカレで28年ぶり2回目の優勝を果たす。「社会に通じる人間性」を培い、日本一を目標に、日々、練習に励んでいる。

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飯塚初義 監督 「社会に通じる人間性の確立」

選手の生活面の管理が私の主な仕事です。それから、スカウティング。キャリアのある選手が入ってくることで、ゲームメイキングが大きく変わってきます。もちろん、そこに人間性が備わっていなければ、一流と呼ぶことはできません。バレーボールには、人生において大事なことがいっぱい詰まっています。

飯塚初義 監督/順天堂大学出身。2006年に赴任した習志野高校をインターハイ、春高バレーに導く。2017年、順天堂大学の監督に就任。チームの刷新を図る。


4年(主将) 高橋和幸さん 「 常にポジティブに」

1年生のときから試合に出させていただいています。アンダーカテゴリーの日本代表に呼ばれるなど、その頃の経験はとても大きなものになりました。常にポジティブに考えることを心がけていて、下級生にも「失敗がダメではなく、挑戦しないことがダメなんだ」と言っています。将来は海外のクラブでプレーしたり、日の丸を背負ってコートに立つことが目標です。

高橋和幸さん 4年 (主将)リベロ/ 優れた戦術眼で鉄壁の守備を敷くチームの大黒柱。「志が高く、人間的にも素晴らしい」と飯塚監督の評価も高い。

4年 岡本捷吾さん「周りを見て考えること」

2年生の頃までは自由にやっていた部分がありますが、上級生になるに従って周りを見ながら考えて行動するようになりました。そこが一番成長したところ。卒業後もバレーボールは続けますが、体育の教員免許を取得しているので、将来的には指導者の道に進むことも考えています。すぐに答えを与えるのではなく、ヒントを与える指導をしていきたいと思います。

岡本捷吾さん 4年 オポジット/ 左腕から繰り出される強烈なサーブ、スパイクが持ち味。卓越したテクニックと守備力で、攻守の舵取り役を担う。


4年 (主務) 竹内瑞貴さん「マネージャーの道」

大会前にエントリー用紙を作成したり、遠征のときは飛行機のチケットを手配したり。部費の管理、保護者やOBへの広報も主な仕事です。チームの中心になりたいという気持ちが強く、マネジャーの道を選びました。やっていくうちに楽しくなり、周囲の大人とも関わりができて、社会に出ても役に立つ仕事だと思っています。

 

CLOSE UP/ 栄養

寮生活の選手は自炊が基本
食事を見直してパフォーマンスもアップ

寮で生活している選手の夕食は自炊が基本。コロナ禍の今はできていないが、飯塚監督が就任した頃は食堂を予約して朝食を全員でとっていた。「以前は朝ごはんを食べずに練習に来る選手もいました。夕食は自分の好きなものになってしまいがちですが、ちゃんと栄養の勉強をして自分で作りなさいと言っています」と飯塚監督。岡本選手は「偏った食事にならないように、野菜を多めに摂るようにしています。肉と一緒に食べられるよう野菜炒めが多いですね」と話す。食生活を見直すことで、リーグ戦の白星が増えるなど結果にあらわれた。


5大栄養素をバランスよく摂れるよう、様々な食材を使ってメニューを工夫している。乳製品と果物を必ず取り入れるのもポイント。

CLOSE UP/ トレーニング

個々のプレースタイルに応じたトレーニング
専門のケアを受けられるのも大きな強み

専門のトレーニングコーチをつけて、個々の特徴やプレースタイルに応じたトレーニングを行っている。リベロの高橋選手が重点的に行っているのは瞬発系のトレーニング。「ウエイトリフティングのクリーン&ジャークをやって、瞬発力を養っています。使っているバーベルは50〜55kgのもの。姿勢を意識するのがポイントで、はじめの一歩が速くなりました」(高橋選手)。鍛錬期はウエイトトレーニングの回数を増やし、試合期は必要なトレーニングに切り替える。順天堂大学医学部附属病院で専門のケアを受けられるのも大きな強みだ。診療費減免制度などサポートも手厚く、保護者も安心して預けられる環境だという。


飯塚監督が全幅の信頼を置くトレーナーに来てもらい、定期的に選手のカラダをチェックしてもらっている。

 

CLOSE UP/チーム運営

社会に出て信頼される人間になるために
正しい立ち居振る舞いや言葉遣いを身につける

2017年に就任した飯塚監督が最初に取り組んだのは、選手たちの意識改革だった。「“目標”と“目的”は違います。目的は、『社会に通じる人間性』の確立。立ち居振る舞いや言葉遣いなど、社会に出て信頼される人間になるために必要なことをいつも選手たちに言っています。いくら個々がよくても、コミュニケーションが取れなかったら1点は取れません。劣勢になったときに諦めない、腐らないことも大事です。勝負どころでは、勇気を持って攻めなければいけないこともある。人生においても、大事なことだと思います」(飯塚監督)。

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・vol.37 帝京平成大学 女子サッカー部
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※2022年1月15日発行「アスリート・ビジョン#24」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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