【股関節編】トレーナーに聞いた!効率よく動くためのウォームアップルーティーンVol.3

『効率よく動く』をテーマにウォームアップルーティーンを紹介します。Vol.3は股関節編。股関節をメインに、セルフチェック方法とエクササイズメニューを八王子スポーツ整形外科の西山トレーナーに教えてもらいました。

まずはセルフチェック「片足スクワット」

まず片足で立つ姿勢がぶれていないか確認し、膝を曲げていく。スクワットの深さは安心して曲げられるところまででよい。膝が内側に入っていないか、つま先よりも前に出ていないか、肩が平行になっているかなどを鏡で見るもよし、スマホで撮影して見るもよし。

ポイント!
つま先→膝→股関節→肩が一直線となり、両肩は平行になっていること

お尻周りの筋力バランスをチェック

股関節はカラダを支える重要な部位。特にスポーツ動作に欠かせない足の動きや、下半身から上半身への力の伝達を効率的にすることができる。股関節を動かす上で大切なのは、お尻周りの筋肉。まずは片足で自分の体重を正しく支えられるかをチェック!左右差が出るようなら、この後のエクササイズで弱い方の回数を増やしてみよう。

効率よく動くためのエクササイズ

1. ピックアブダクション [左右各15~20回]

横になり、上側の足を開いていく。できるだけゆっくり行うとよい。つま先が上を向いたり、足全体がカラダより前に出たりしないように注意。かかとから、カラダのラインより後ろ側に向けてあげていくイメージだ。

目的 
足を開く動きを担う中殿筋のトレーニング。片足スクワットでバランスが保てないのは中殿筋が弱いことが原因。上半身は頭までまっすぐに。

2. クラムシェル[左右各15~20回]

横になり両足を90 度に曲げる。頭・肩・股関節を結ぶ延長線上にかかと(くるぶし)が来るようセット。骨盤が上を向かないように注意しながら、貝のように膝を開く。これもできるだけゆっくり行うのがコツ。

目的
ヒップアブダクションよりも少しカラダの奥、インナーの外旋筋群に刺激を与えるトレーニング。ゴムチューブを膝上5センチのところに巻くと負荷が上がる。

3. シングルレッグスティッフレッグドデッドリフト[左右各10~15回]

片足で膝を上げて立ち、後ろに伸ばしながらカラダを前傾する。頭と足が地面と平行になるのが理想。膝はできるだけ曲がらないよう注意。ゆっくりスムーズに動かすようにしよう。バランスが保てないときは壁に手をついてもOK。

目的
軸足の股関節とハムストリングスを鍛える。上体の重さがそのまま負荷になるので前2つのエクササイズより高負荷。柔軟性やバランスも求められる。

4. ランジ+ニーアップ [左右各10~15回]

ランジの姿勢から、後ろ足を引き上げ、膝上げ90度の姿勢でストップ。1秒ほど静止して、元に戻す。軸足側の腕を挙げておくと、静止時に軸を感じやすくなる。挙げている方の手で2ℓのペットボトルなどを持つとさらに負荷がアップ。軸足でしっかりと地面を押すことを意識する。

目的
ランニングやジャンプ時の地面を押す動作を丁寧に行うことで力の伝達を効率的にする。エクササイズ3と同じく軸足の股関節・お尻などに刺激を与える。

西山朋さん
八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネス部門アスレティックトレーナー。これまで東京ヤクルトスワローズのアスレティックトレーナー、男子ソフトボール日本代表、7 人制ラグビー日本代表、オール三菱ライオンズなどのトレーナーを歴任。

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※2020年10月10日発行「アスリート・ビジョン#19」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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