合宿やハードワークを乗り切る!夏こそ攻めのリカバリー【休養のプロに聞いた】

日々のトレーニングはもちろん、練習試合や合宿などハードワークが続くこの時期。加えて、夏の暑さとも戦わなければならず、疲労が溜まりやすい環境です。翌日に少しでも疲れを残さないのはもちろん、より早く、より効果的に疲れを取るためにも休養が大切です。今回は夏の疲労回復法について、日本リカバリー協会の片野秀樹さんに伺いました。

疲れやすい夏だからこそ休養が大切

夏は高温多湿で発汗が促され、冷房の効いた室内と屋外との気温差も大きく自律神経が乱れがちです。また寝苦しさによる睡眠不足は体内時計(概日リズム)を崩し、日中のだるさや集中力低下を招きます。皮膚や目が受ける強い紫外線も大きなストレスです。このように、トレーニングなどの肉体的疲労に加えて、一段と負荷がかかる夏だからこそ、疲労のシグナルを見逃さず、休養に意識を向けることが重要です。

オンタイムの充実とインターバル設計への意識づけ

練習や試合(オンタイム)のことは全力でできていても、それ以外の時間(オフタイム)、いわゆるインターバルには意外と意識が向けられていません。オンタイムのゴール(=パフォーマンス発揮)にたどり着くためにはオフタイムをいかに充実させるか、インターバルを自分でどのように設計するかがとても大切です。トレーニングはハードに、それ以上にレスト(休養)はハーダーに。特に夏は暑さという負荷が加わるため、より一生懸命にレストをしないとつり合いがとれません。

もちろん睡眠は大切ですが、かといって「休養=睡眠」とは限りません。インターバルでの行動すべてが「休養」という意識を持って過ごせているかがポイントになります。オフタイムを実際どう過ごすべきなのか、改めて考える機会を作るとよいかもしれません。

知っておきたい!リカバリー4つの心得

休養は長ければ長いほどよいとは限りません。夏のハードワークを乗り切るために、より効果的な休養を取るための4つの心得を紹介します。自分自身のオフタイムにフォーカスし、目的を持った休養が取れるとよいでしょう。

Distance

ストレスの原因となっている事(もの)から距離をとることを意味しています。物理的に難しい場合は、心理的な距離でも構いません。目をつむり別の事を考えるだけでも距離をとることができます。

Reset/Refresh

リセットの代わりに「リスタート」でもよいかもしれません。とにかく切り替えをすることが休養につながります。ストレスを引きずっているといつまで経っても変わらないので、自分自身に合ったリフレッシュ法で切り替えることが大切です。

Input/Invest

たとえば、練習で別の視点を持つことや、努力し技術を習得することなどはインプットあるいはインベストと言えます。少しずつ上手くなっているといった変化が見えれば、気持ちが疲労には向かわず、成長しているとプラスに捉えられ、リカバリーできる一つの材料になります。

Control

リカバリーで最も大切なのは自己決定権を持つことです。部活など集団生活では自分の意思で行動するのは難しいところですが、一人時間の行動は自分でコントールできるはずなので、その時間を有効活用してください。誰かに合わせることなくマイペースで過ごす時間は、たとえ数分でも充電になります。

継続ポイント

合宿中のリカバリーは自由時間がカギ!
自分自身でインターバルをコントロール

合宿中はトレーニングや食事、ミーティングなど、たいていはチームで決められたスケジュールで動きますが、自分自身でクリエイトできる時間も少なからずあるはずです。自由時間でのベストな休養の取り方を探り、ルーティン化する工夫を凝らしてみてください。

※2024年7月16日発行「アスリート・ビジョン#34」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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