勝てるカラダをつくる食事と補食「コンディショニング」ができる学生アスリートは強い!【栄養のプロに聞いた】

パフォーマンスは毎日のコンディショニングの積み重ねで決まります。日ごろから良いカラダの状態をつくりトレーニングの質を高めることが、パフォーマンス発揮につながります。まずは毎日の食事でできるコンディショニングの基本を学んでいきましょう!

コンディショニングのGOODサイクル

コンディショニングのPOINT①
「トレーニング」「栄養」「休養」のバランスが重要

私たちのカラダは食べたものからつくられています。日々の練習で消費したエネルギーを食事(栄養)で補わないと、十分な筋肉をつくることもできません。さらに、トレーニングで傷ついた筋肉や疲労を回復させるためには、休養(睡眠)も必要です。これらの3要素を意識し、よいカラダの状態をキープすることが質の高いトレーニングにもつながります。

コンディショニングのPOINT②
エネルギー補給に欠かせない3大栄養素を積極的に活用

炭水化物

「1日の総摂取エネルギーの半分をご飯から摂る」ことを目安にします。1日3食を欠かさず食べ、朝練後や練習前後におにぎりを食べるなど、足りない分は「補食」でカバーを。

たんぱく質

運動によって壊れた筋肉を回復させるために欠かせません。たんぱく源である肉、魚、卵を積極的に摂取。また、ご飯からもたんぱく質を摂ることができます!

学生アスリートなら
1日に体重1㎏あたり1.5~2.2gを目安に摂取
※体重50㎏の場合、75~110g

脂質

脂質は、少量でも多くのエネルギーが摂れるのが特徴。体重が増えない、カラダが大きくなりづらい選手は、上手に活用したい。運動量が多いのに脂質を過度に控えてしまうと、必要なエネルギー量が足りなくなることも。

1日の食事バランスや補食、どうやって考える?

+補食には乳製品・果物を活用
補食は、食事で摂りきれないエネルギーや栄養素を補う重要な役割を担います。特に、たんぱく質とカルシウムが豊富な「乳製品」や、炭水化物・ビタミンCが手軽に摂れる「果物」は補食にぴったり!食事の間隔が空くタイミングにうまく取り入れましょう。

ある日の食事と補食(献立例)

朝食

■ 朝にたんぱく質を摂ると、筋合成が進みやすい。ゆで卵、魚肉ソーセージ、豆腐など、手軽に食べられるものを常備!
■ 食欲がない場合、ヨーグルトやバナナだけでも。まずは朝に食べるクセづけを。

昼食

■ 午後の練習に備え、エネルギー補給を。腹持ちのよい揚げ物はお昼がベストのタイミング!
■ 学食やコンビニの場合も、野菜のおかずを1品プラス。ほうれん草・小松菜など色の濃い野菜で、アスリートに不足しやすい「カルシウム」や「鉄」を補給。

夕食

■ 夜遅くなる場合は、消化に負担のかかる脂質・油は控えめに。
■ 牛肉・豚肉よりも鶏のささみやむね肉、魚は青魚より鮭・タラなどの白身魚系が消化に良い。

柴崎真木さん(管理栄養士)柴崎真木さん
管理栄養士。日本代表を目指す競泳選手への食事アドバイスをきっかけにスポーツ栄養士へ。現在はジュニアからトップアスリートまで、さまざまなスポーツの栄養サポートに携わる。ロンドンでは競泳、男子柔道の日本代表チームの栄養サポートを担当。

※2025年4月15日発行「アスリート・ビジョン#37」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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