法政大学陸上競技部長距離ブロック【注目チーム紹介 vol.57】

大学トップレベルの実力を誇り、インカレ優勝者多数、過去には日本代表選手も輩出している法政大学陸上競技部。練習開始時には陸上競技部全体でミーティングを行うなど、ブロックごとの交流も盛ん。今回は箱根駅伝で好成績を挙げる強さの秘訣について、長距離ブロックの皆さんにお話を伺いました。

「箱根に向けて」練習量を増やし、食事も徹底管理

法政大学陸上競技部長距離ブロック

1919年に発足し、創部100年を超える伝統を持つ。長距離ブロックは箱根駅伝の古豪として、2024年の第100回大会では6位に入賞し、3年連続でのシード権を獲得した。

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箱根駅伝を見据えて

「自由と自主」の精神は私の在籍時から変わらない部の文化です。インカレ常連で陸上界をリードする短距離ブロックとの交流も多く、選手たちも常に刺激を受けながら練習しています。駅伝を走り切るために練習では距離を走ることを大切にしています。一番の目標とする箱根に向けてピーキングを行っていきます。


坪田智夫 駅伝監督 /1977年生まれ。法政大学出身。4年時に箱根駅伝2区区間賞。卒業後はコニカミノルタに進み、2003年世界陸上パリ大会10000m日本代表。2012年に法政大学陸上競技部コーチ、2013年に駅伝監督に就任。

目標達成に向けチームで考えて取り組む

チームとしてオンオフの切り替えやメリハリのある練習ができるよう、駅伝主将として雰囲気づくりに気を配っています。今年こそ箱根駅伝総合5位以内をつかむために、一人ひとり何が必要かを考え、練習に取り組んでいます。

小泉樹さん 4年生(駅伝主将)/國學院大學久我山高校出身。祖父が元箱根駅伝ランナーであり、幼少期からランニングに親しむ。箱根駅伝では1年時に3区、3年時に4区を務めた。

箱根の経験が新しい目標につながる

初めての箱根駅伝は出られる嬉しさ100%でしたが、2年目以降はプレッシャーも感じています。10000m学生トップを目指し、他チームのエース選手に負けない走りができるようになりたいです。

武田和馬さん 4年生 一関学院高校出身。1年から3年まですべて箱根復路を走り、第100回大会では6区区間賞を獲得。大舞台でも「いつも通り」を出せる安定感が強み。

最終目標を見据え、着実に課題を超えていく

今の代は学年間の垣根が低く、仲が良いのが特徴です。走行距離が多く入学当初はついていくのが大変でした。徐々に慣れてきましたが、まだまだスタミナは課題なのでより力を入れていきたいです。

安澤駿さん 4年生/法政大学第二高校出身。中学から陸上を始める。大学からは寮に入らず1人暮らしで、毎食自炊をしながら通学と練習をこなす。

チームの成長に力を尽くしたい

地道な練習をコツコツ続けてきた選手たちが大会で結果を出してくれた瞬間は本当に嬉しく、マネージャーとしてのやりがいを感じます。「チームをより良くする」という視点を大事に、結果を出すためのサポートをしていきたいです。

岡本崚太郎さん 3年生(駅伝主務)/相模原弥栄高校出身。幼少期から箱根駅伝に憧れ、中学から陸上を始める。1年冬にマネージャーに転向。

CLOSE UP/ 栄養

食事内容を毎日記録
食事への意識の高さは競技成績へとつながる

体重管理も重要な長距離種目だが、食事量が減ると疲労にもつながるため食べる量を大事にしている。選手は日頃から「日付・名前・お米のグラム数・食事の写真」をアプリにシェアし、監督・スタッフ含め全員が一目でわかるよう見える化している。「寮の食事では、毎食400~600gのお米を食べます」(武田選手)。「食べるお米の量は、選手の調子のバロメーター。学年が上がるごとに食事への意識が変わり、競技成績にも現れてくる」(坪田監督)と手ごたえを語る。また、栄養士資格を持つOG が毎月来校し、栄養講習も実施。一人暮らしの安澤選手は「食事は彩りを意識しています。特に副菜を充実させ、1度で多めに調理して作り置きをしています」と自炊でもしっかり栄養バランスを整えている。

CLOSE UP/ トレーニング

バランスよくトレーニングとケアを実施
ケガをしないカラダづくりを実現

長距離ブロックの1週間は、月曜はオフでカラダを休め、火・金曜に「ポイント練習」と呼ばれる高強度練習、水・木・土曜はジョグなど強度を抑えた練習を行い、日曜は長い距離を走るという流れだ。普段から距離を踏む練習でスタミナをつける。ウエイトトレーニングは週2回、朝練習のタイミングで行う。ウエイトでは上半身や体幹も鍛えてフォームのブレや足腰のケガのリスクを減らす。今年度からは練習後に全員でストレッチを行う方針に切り替えた。トレーナー室を利用するなど個人でもカラダのケアに取り組んでおり、「今年は故障者が少ない」(小泉選手)と自信がにじむ。

CLOSE UP/ チームづくり

練習とレクリエーションでメリハリをつけ
箱根に向けチーム力を高める

「スタッフが選手と監督の架け橋になってくれている」と坪田監督が語るように、栄養講習やウエイトトレーニング、計測や事務業務など、OB・OGや学生トレーナー、マネージャー陣の質の高いサポートがチームを支える。チームとしては、毎年夏に選手スタッフ全員が参加する球技大会を実施し、親睦を深める。互いの新たな一面を見ることができる良い機会となっているという。レクリエーションで気分転換しオンオフのメリハリをつけ、箱根に向けたチームづくりにも取り組んでいく。

※2024年7月16日発行「アスリート・ビジョン#34」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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