専修大学男子バスケットボール部【注目チーム紹介 vol.62】

関東学生リーグでは1部を維持し、勇名を馳せる専修大学男子バスケットボール部。今季は途中で主力選手の離脱もありながらも、リーグ戦、トーナメントなどすべての大会で「ベスト4」を視野に入れチーム一丸となり戦ってきました。その中枢を担う選手、個性豊かな能力者軍団を率いる監督にチームづくりやトレーニングについて伺いました。

選手の個性を尊重し、チームディフェンスで進化する

専修大学男子バスケットボール部

1945年に創部。2002年、創部57年目にして、全日本大学選手権(インカレ)で、悲願の日本一に輝く。翌年には関東大学リーグ戦で初優勝。2004年にも関東大学選手権で初優勝を達成した。2018年、2019年には2年連続でインカレ準優勝を飾る。

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選手の個性と強みを大切に

個性が強い選手が多く、オフェンスではその特徴を生かし、得意なプレーを体現していこうと話しています。一方で勝つためにディフェンスでは組織としてのルールを定め全員で遂行していかなければなりません。バスケットが好きな気持ちは裏切らず、真摯に向き合ってほしいと選手たちには常々伝えています。


佐々木優一 監督 /専修大学出身。現役時代は大学の全タイトル獲得に貢献。卒業後は大学の職員として勤務する傍ら、アシスタントコーチを経て2013年監督に就任。2018年には14年ぶりのインカレ準優勝に導く。今季で監督11シーズン目。

厳しさを経験し鍛えられた底力

ディフェンスからのトランジションや個性を活かしたプレーが専修大学のスタイル。主将として心がけているのは周囲への声がけとプレーで示すこと。チーム状況が良くない時期もありましたが、踏ん張る力を身につけられたと思います。

市場脩斗さん 4年生(主将)/市立船橋高校出身。シューティングガード。高校ではウインターカップ出場など全国を経験。大学では高い得点能力で下級生時から存在感を放つ。2024年の秋季リーグでは優秀選手賞に輝いた。

常にコートに立ってチームに貢献する

これまで全試合出場できていませんでした。だからこそ今季のリーグ戦は全試合出場を目標にし、達成出来てホッとしています。途中、疲労を感じることもありましたが、ケガなくプレーすることができ自信になりました。

淺野ケニーさん 4年生 洛南高校出身。スモールフォワード。2024年の秋季リーグ戦では優秀選手賞、3P王。出場時間では2位を大きく離し1位となった。特別指定選手としてBリーグの大舞台に立った。3×3 U23日本代表としても活躍。

チームを見守り、ここぞのサポートを

メンタル面でみんなが沈んでいるときに声をかけたいと心がけています。今年の4年生は個性的で、少しまとまりがない時期もありましたが、今はとてもいい雰囲気でバスケットが出来ていると思います。

井出菜月さん 4年生(主務)/専修大学附属高校出身。大会のエントリーや大学事務課との連携、他大学との連絡、練習試合の日程調整など、業務は多岐にわたる。

CLOSE UP/ 栄養

練習前後の体重測定で意識づけ、
食事からコンディションを整える

練習前後の体重を記録し2週間に1度はトレーナーもチェック。「欠食はパフォーマンスやケガにも関わるので寮食の摂食状況をみて気になる選手には声をかけるようにしています」(佐々木監督)。食事や栄養においてもチームの基本方針である自主性のもと選手各々が考えて実践している。「練習前は炭水化物を多めに、たんぱく質は1日に必要な量をそれぞれの食事で均等に摂ることを意識しています。あと体重が落ちやすいので、食事は補食も合わせ5回に分けて摂り、空腹の時間をなるべくつくらないようにしています」(淺野選手)。「昼食はうどんやパスタをよく作ります。練習の後、和菓子やヨーグルト、プロテインを摂っています」(市場選手)体育寮で朝食と夕食を摂る。昼食と補食は各選手が自分にあった方法を工夫する。

CLOSE UP/ トレーニング

フィジカルと機能性、両輪を強化
全22試合最後まで戦い抜くカラダづくり

平日は18時~21時30分までの3時間半、全体練習が行われる。週に3~4日程度はウエイトも実施し、「長いリーグ戦を戦うためフィジカル面に関してインテンシティは強くして貯金を作ってきた」(髙橋トレーナー)。リーグ戦中は体力、筋力、パワーの維持を中心に、プレータイム別にコンディション調整を行った。急遽チーム編成を求められた状況下でも最後まで戦い抜くことができた。カラダを機能的に動かせるようなメニューを中心に取り組んだことで、ケガが少なくなり、スキルやパフォーマンスも向上。「当たり負けしなくなった」(市場選手)と選手たちも手応えを感じている。

万全でプレーするためのコンディショニング

選手一人ひとりとコミュニケーションをとり、コーチと選手がバスケットをしやすいコンディションの完成度を上げるのが私の仕事です。特に1年生は焦らずフォームづくりからはじめ、大学での運動強度に耐えられる、そして関東1部で戦えるカラダをつくっています。 (トレーナー 高橋基樹さん)

CLOSE UP/ チームづくり

目標達成のため日々のスタンダードを高める
予想外のアクシデントもチーム力向上の糧に

今季の絶対目標は「大会すべてベスト4以内」。そのプロセスで成長、成熟につなげていくことを目指し、日ごろの練習からスタンダードを上げてきた。シーズン中は毎週火曜日に全体ミーティングを実施。学生スタッフが準備したデータや映像をもとに次戦や今後の課題や対策を話し合っている。「主体はあくまでも選手。全体で行った後は選手だけのミーティングも実施しています」(佐々木監督)選手たちが自ら考えて行動できたからこそ、秋のリーグ戦直前のアクシデントも乗り越え、チーム力を更に高めることにつながった。

練習前のミーティング。前回の反省と、今回の目標を全員で確認してから練習に入る。

練習終了後は選手たちがすぐにアプリで映像を確認できる。学生アナリストの献身的なサポートでチームが成り立っている。

下級生のサポートも大切な仕事

学生コーチとして相手チームのスカウティングや分析を行い、試合に向けた資料づくりやゲームプランも立てています。4年生中心のなかで、後輩たちの試合へのモチベーション維持ができるような声がけを心がけていました。

山下隆聖さん 4年生(主務)/専修大学附属高校出身。高校まではプレーヤーで活躍。大学入学と同時に学生コーチに転身し、チームのブレーンとして戦術面でも貢献している。

※2025年1月15日発行「アスリート・ビジョン#36」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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