カラダづくりは栄養・休養・運動のどれかひとつでも欠けては成立しません。サポート環境の整っていない学生アスリトートは、自分で調べて実践するのも大変です。そんな学生アスリートの悩みに対する解決のヒントを専門家にアドバイスをもらいます。読者アンケートに寄せられたアスリートのお悩みに専門家がお答えします。今回のお悩みは「睡眠」です。スポーツドクターの金井さんにアドバイスをいただきました。
金井貴夫(かない・たかお)さん
公益財団法人東京都保健医療公社多摩北部医療センター精神科医長。機能性脳画像研究、心身医学、スボーツ医学、睡眠医学が専門。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本オリンピック委貝会医科学強化スタッフとして、多くのアスリートをサポートしている。
お悩み相談コーナー【睡眠編】
01 お悩み/勉強なども忙しく、睡眠時間が少なくなってしまう。
学業と競技を両立する学生アスリートは不規則なスケジュールになりがち。夜の練習や朝の練習によっては、睡眠時間が短くなることも多いようですね。
先生のアドバイス
練習や学業で生活時間が変則的になっても、朝は早く起きて朝日を浴びましょう。 体内時計がリセットし、覚醒・睡眠に関係するホルモンの分泌が促されることで、生活のリズムが整います。日中眠気が取れないときは15~20分程度の仮眠を取るのも効果的です。ですが、慢性的な睡眠不足はアスリートとって大敵です。睡眠時問は個人差もありますが、平均で7時間30分程度。自分の理想睡眠時間は確保するように心がけてください。
02 お悩み/たくさん寝ても疲れが取れづらい。
意識的に長時間睡眠をとっても朝疲れがとれていないというお悩み。カラダの回復を促すために押さえたいポイントを伺いました。
先生のアドバイス
睡眠の質に問題があるかもしれません。睡眠には質・量ともに必要です。睡眠の質を上げるために、寝る前に瞑想や呼吸法(特に漸進的筋弛緩法)やストレッチなどのルーティンで心とカラダをリラックスさせましょう。また、就寝前に気をつけたいことは、2時間以内に「食事」や「激しい運動」をしないことです。脳を興奮させるカフェインやアルコール、青色光などの強い視覚刺激も脳の興奮を誘発するので注意が必要です。
就寝前におすすめのリラックス法をご紹介
漸進的筋弛緩法
両手を5秒程度、ぎゅっと握ったあと、10秒ぐらいでゆっくりと手を広げる
力こぶをつくるように腕を曲げて、脇をしめ、5秒程度ぐっと力を入れる。その後、10秒ぐらいストンと力を抜く
両肩をぐっとあげ、耳まで近付けながら5秒程度緊張させる。その後、ストンと 力を抜く
先生からのメッセージ
睡眠では、質・量ともに十分とることが重要です。入眠前のルーティンを確立させ、ベストな睡眠で理想的なフィジカルとメンタルを手に入れてください。
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