武蔵大学 硬式野球部【注目チーム紹介 vol.45】

「学生主体」「自主性」をキーワードとする武蔵大学硬式野球部。その理由は、平日は指導者不在であること。監督やコーチが平日は会社員として働いているため、練習への参加は休日のみ。監視の目がなく、「手を抜こうと思えば抜けてしまう環境」ですが、学生同士が自律的に質の高い練習を積み、2022年度の秋季リーグでは最終盤まで優勝争いを演じる実力をつけてきました。今回は5名の部員と監督に、栄養管理やチーム運営について伺いました。

平日は自主練中心。結果を残せる学生主体のチームづくり

武蔵大学硬式野球部

創部1952年。2022年度は春秋ともに首都大学1部リーグ3位の好成績を残した。部員数170人超の大所帯でありながら選手の自主性を重んじるチームスタイルを持つ。

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学生中心の運営で選手が自律的に練習に取り組む/山口 亮 監督

平日の練習は学生コーチと相談しながら決めており、今は走り込みな どでカラダをつくり直しながら、2月後半からのオープン戦に向けた準備も行っています。昨年度のチームから投手が残っているので、今年度は投手中心の守りのチームをつくり、まだ1部で成しえていない優勝を目指していきます。

 

仲間たちと純粋に野球を楽しめる場所

勝つことももちろんですが、良好な人間関係があるので野球を純粋に楽しめる環境です。昨年度は1部リーグで優勝争いをしたことが大きな財産だと思うので、今年のチームにその経験を生かしたい。

片山 敬さん 3年生 (内野手) 主将/自主性に任せられるチームスタイルが自分に合っていると感じ入学を決める。昨年度からレギュラーとして公式戦に出場しており経験豊富。

一戦一戦を勝ち切るチームに

目標の優勝だけを追うのではなく、目の前の試合を一戦一戦大事にしていきたいです。昨年度公式戦を経験したメンバーがしっかり引っ張って「勝ち切れる」チームにしたいと思います

田中啓斗さん 3年生 (投手) 副主将/高校時から自ら練習メニューを決めてきた。武蔵大学も「自律的に練習できるチーム」と先輩に聞き、総監督の誘いを受けたこともきっかけに入部。

上下関係なく仲良のよいチーム

外野の守備練習をメニューづくりから統括しています。学業、アルバイト、部活の両立は大変ですが、個人の成績を出しながら外野手をまとめ、チームに良い影響を与えたいです。

松本京太郎さん 2年生 (外野手) 外野責任者/高校時から自ら練習メニューを決めてきた。武蔵大学も「自律的に練習できるチーム」と先輩に聞き、総監督の誘いを受けたこともきっかけに入部。

CLOSE UP/ 栄養

1年次から栄養への意識づけ。希望制で毎食の栄養チェックも

OBの栄養士に協力を仰ぎ、下級生や希望者を中心に定期的に食事チェックを実施。毎日毎食、栄養士に写真を送り、フィードバックを受けることができる。寮は1、2年生のみで多くの選手はひとり暮らしのため、誰もが食事管理は課題としてとらえている。「1年次に栄養セミナーがあり学びが多かった。曜日ごとや試合前などタイミングに応じて食べるものや量を考えるようになったところが高校時代と大きく違う」(片山選手)。コロナ禍では自分たちで食事コンテストをするなど、自主性の高さを生かして楽しみながら栄養への意識づけを行っているのが特徴だ。

この選手の目的は、筋肉量を増やしながら体重を維持すること。栄養士にアドバイスをもらい工夫する。

CLOSE UP/ トレーニング

1部リーグ昇格によって進んだ意識改革。実力主義だからこそ自主練習が肝になる

毎年平均して150名を超える大所帯のため、全体練習の時間は限られ自主練習の時間に重点を置く。「オープン戦で結果を出した選手がリーグ戦に出られる」というシンプルな実力主義をとっているため、選手たちの練習への意識は高い。特に「1部に上がってからは意識改革が進んでいる」と山口監督が話すように、個々がよく考えてプランをつくる。「普段はウエイトトレーニングと初動負荷トレーニング。投手は練習頻度・メニューがバラバラなので、曜日ごとに種類と部位を自分で考えて行っている」(田中選手)。トレーニングだけでなく、最近では温泉やサウナで疲れを癒す選手も。

一人ひとり選手と向き合う

選手と監督の架け橋として、練習メニューをつくって選手に伝え、実施しています。総監督が大切にしている「あいさつ、身なり、環境」を徹底し、応援されるチームを目指したいです。

寺山大智さん 3年生 学生コーチ高校時は投手。部活動とともに勉強にも力を入れられる環境であることが入学の決め手。2年の冬から学生コーチに。

CLOSE UP/ チームづくり

「わかっているだろう」はなくす密なコミュニケーションで、大所帯をまとめ上げる

学生コーチの他、10名以上のマネージャー陣が主務、広報、データ班などに役割分担して活動する。データ分析は選手からも協力を得て、それぞれがしっかり連絡を取り合う。「『わかっているだろう』と思わず、報連相は細かく意識している」(西堂主務)。「大人数をまとめる上では、トップチームだけでなくBチームの選手とのコミュニケーションが大事」(寺山学生コーチ)と、チーム一丸を実現するための意識が強い。「グランドにいない時間の方が忙しい」という学生スタッフたちの尽力により、上下関係なくグランドを離れても仲の良い集団がつくられている。

選手が精一杯できる環境に

選手がより良い環境で野球ができるように、試合のセッティングや事務仕事をしています。応援したいと思ってもらえるチームになるためにSNSをはじめ広報活動にも力を入れたいです。

西堂里南さん 3年生 主務/高校から野球部マネージャー。入学後すぐにマネージャーとして入部し、今年度主務となる。グランドでの練習サポートとチーム運営に紐づく事務作業を精力的に行う。

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※2023年1月16日発行「アスリート・ビジョン#28」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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