明海大学女子バレーボール部【注目チーム紹介 vol.60】

8部リーグからスタートし、創部5年目で関東大学女子1部に昇格を果たした明海大学女子バレーボール部。リーグ戦優勝を目指し、怒涛の勢いで常勝チームへと駆け上がる。成長著しいチームの強さの秘訣はどこにあるのか、監督と選手、主務に話を聞いた。

創部5年で1部昇格! 圧倒的練習量で頂点を目指す

明海大学女子バレーボール部

2019年に創設。2023年関東2部に昇格。2024年春季2部リーグ全勝優勝、入替戦を制し1部昇格。春高バレーで全国優勝に導いた経験もある太田豊彦監督のもと少数精鋭で、リーグ戦優勝、日本一を目指す。

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自立心を持ち、やり切れる人間になってほしい

1部昇格は各方面の方々の協力があって得られた結果だと考えています。長年指導してきた高校生と、今の大学生では環境や接し方などが違う部分もありますが、細かい指示をするよりも「やり切ること」が重要です。今後も選手の潜在能力を最大に生かして、そのときにできる最高のチームづくりをし続けていきます。


太田豊彦 監督 /日本体育大学出身。高校女子バレーの指導者として春高バレーやインターハイ出場へ導く。U-20日本代表チームの監督なども歴任。明海大学女子バレーボール部を創設時から率いる。

まず自分にできることを考えチームの先頭に立つ

学年の隔てなく切磋琢磨し合い、いい関係性でバレーボールができる環境です。目標の一つでもある1部昇格が叶いとても嬉しいです。悔いを残さないように、秋季リーグ戦と全日本インカレでも一番を目指します。

田中希美さん 4年生(主将)/文京学院大学女子高校出身。ユーティリティープレイヤーとして活躍。チーム唯一の4年生として後輩たちをまとめる。ブロックと体幹強化を課題に練習に取り組む。

たくさんの気づきがあり、プレーの幅が広がった

高校までとは違うバレースタイルに最初は戸惑いましたが、今ではプレーの幅が広がり、成長につながっている実感があります。高い個々の能力をもっと掛け合わせてチーム力を向上させ、1部でも明海らしいバレーで勝っていきたいと思います。

都築愛未さん 3年生 春日部共栄高校出身。Wエースの一角としてチームの攻撃面をリードするアウトサイドヒッター。攻撃の幅を広げるため技術練習に力を入れている。

もっとバレーを学んで、もっと成長したい

太田監督のバレースタイルは、ポジションにとらわれず全員が何でもやるので楽しいです。「頭は冷静に、気持ちは強く」の精神を大切に、監督のマジカルバレーを体現し、優勝を目指してプレーしていきます。

堤亜里菜さん 3年生/共栄学園高校出身。アウトサイドヒッター。マークされても決めきる勝負強さとレシーブがストロングポイント。

マネージャーとして選手と一緒に戦う楽しさ

選手とともに喜んだり悔しい思いをしたり、マネージャーとして一緒に戦えることが嬉しいですね。4年生にとっては最後のリーグ戦。そこで良い結果を出せるよう、後輩である私たちが後押ししたいです。

高松るりかさん 3年生(主務)/正智深谷高校出身。大学からマネージャーに専念。学内外での手続きなどコート外でも選手を支える。

CLOSE UP/ 栄養

バランスの良い食事と睡眠を意識
自主的に栄養知識をインプット

自主性はチームの基本方針。食事栄養においても選手一人ひとりが自分で考えて実践する。「たんぱく質を意識し、鶏肉や卵を積極的に摂っています」(田中選手)。ユースやユニバーシアードの代表として招集経験がある都築選手、堤選手は味の素ナショナルトレーニングセンターで得た栄養の知識を持ち帰り、普段の生活に生かしている。「好き嫌いはあるが、バランスの良い食事を心がけ、お菓子よりもおにぎりを食べる」と語る堤選手は、ケガをすることも少ない。遠方からの電車通学も多いが、練習後に補食を摂り、帰宅後に夕食を食べる。睡眠時間の確保などにも注意を向け、それぞれがコンディションを整えている。

都筑選手のある日の夕食。主食、主菜、副菜、汁物、乳製品を揃え、栄養素のバランスを整える。

練習後の田中選手の補食。疲労回復のために炭水化物とビタミンが補給できるフルーツを摂取するようにしている。

堤選手のある日の夕食。鉄やたんぱく質、ビタミンB1などの栄養補給を意識した食材を選ぶ。

CLOSE UP/ トレーニング

圧倒的な練習量で土台固め
ここ一番に強い精神力も養う

「練習量ではどこにも負けない」と自負するのがチームの大きな特徴。体育館は自由に使える時間が多く、存分に練習に打ち込める。平日は授業がない選手から集まって自主練の後、3時間半の全体練習。土日は練習試合や全体トレーニング。週1回は学生トレーナーのもとでウエイトトレーニングや体幹トレーニングを行う。シーズンオフには、練習前に「10kmラン」と呼ばれるランニングメニューをこなす。このような練習が土台となり、「体力だけでなく試合の苦しい場面でやり切るメンタルに」(田中選手)、「劣勢になってもすぐには流れを渡さない強さがある」(高松主務)と自信をつけている。

倒立で筋力と重心の使い方を身につける。足にボールを挟むことでより体幹を意識したトレーニングにしている。

部の名物ともいえる「10㎞ラン」。冬季練習期間に基礎体力強化を目的に行っている。

CLOSE UP/ チームづくり

実戦の機会を重視したチームづくり
選手自ら新たなコンビネーションを探る

太田監督の古巣である共栄学園高校をはじめ、他校との練習試合の機会は頻繁にある。夏季期間にはオーストラリアのナショナルチームが来学し、強化練習試合を実施して刺激を受けるとともに、国際交流の機会ともなった。また、1~2週間にわたって全国各地を回る長期合宿を実施するなど、実戦の機会を重視するのが特徴。「型にはめないバレー」を信条とする太田監督の方針で、ポジション問わず様々な動きを身につける。自主練では誰からともなくコンビプレーを磨き、選手同士でアイデアを出して攻撃のバリエーションを増やしている。

実戦の機会を多く設け、自主練習で身につけた技術やコンビネーションを試しては自分のものにしている。

練習前のミーティング。前回の反省と、今回の目標を全員で確認してから練習に入る。

※2024年10月11日発行「アスリート・ビジョン#35」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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