効率的に鍛える最新トレーニング入門 Vol.3応用編

徐々に負荷を上げてきたトレーニングも今回で3回目。これまで同様、八王子スポーツ整形外科のアスレティックトレーナー西山朋さんに効果的なフィジカルトレーニングを紹介してもらいました。場所を選ばずにできるので、すぐにでも実践してみてください。
【2019年10月10日発行「アスリート・ビジョン #15」掲載】

西山 朋(にしやま とも)さん

八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネス部門アスレティックトレーナー。これまで東京ヤクルトスワローズのアスレティックトレーナー、男子ソフトボール日本代表、7 人制ラグビー日本代表、オール三菱ライオンズなどのトレーナーを歴任。

パートナーを信頼してカラダを預けよう

これまで一人で行ってきたトレーニングを、パートナーに協力してもらうことでより効率的に負荷をかけていく。自重を利用したトレーニングも、大きな動きを取り入れることで全身をバランスよく強化。鍛える部位は同じでも、前回以上に効果を実感できるはずだ。ポイントは、正しいフォームで行うこと。間違った姿勢のまま負荷をかけると、効果が半減するので注意しよう。

1. ネックブリッジ&パワーポジションキープ[20秒/3セット以上]

パートナーがおでこのあたりをおさえた状態で、気をつけの姿勢をキープしたまま前方に倒れこむ。重力に逆らった状態で姿勢をキープするのがポイント。パートナーは、もっとも力を出しやすいパワーポジションで支え、お互いに全身を強化する。

Caution

体をまっすぐ伸ばしたまま横向きに倒れる。体幹が弱いと、体が「く」の字にたわんでしまうので注意。

2. スパーダープッシュアップ[左右5回/3セット以上]

通常の腕立て伏せと同じ姿勢から、腕を曲げると同時に、ひざが体の真横に来るまで脚を水平に曲げる。体幹や下半身も鍛えられるなど一石二鳥のトレーニングだ。スパイダーマンが壁をよじ登る姿をイメージしながらやってみよう。

Caution

脚を曲げた時に体がねじれないように気をつけよう。お尻が上がったり、ひざが床につくのもNGだ。正しいフォームで行わないと、効果が半減。足の上げ下ろしは、スムーズかつ丁寧に行うこと。

3. パートナータオルローイング[15回/3セット以上]

二人で向き合って、タオルを引っ張り合うトレーニング。引く動作によって、広背筋を鍛える効果がある。戻す時も重要で、相手の引く力に負けないように抵抗すること。力比べの要素を取り入れたトレーニングで、お互いに鍛えることができる。

▲半分に折ったタオルの端を持つ

Caution

背中を丸めたり、逆に反らしすぎると腰を痛める可能性があるので注意。また、戻す時に急に力を抜くと、弾みで相手が後ろに倒れてしまうので絶対にやめよう。

4. フォワードランジ [左右15回/3セット以上]

床に直立した状態から、足を前に踏み出す。ポイントは戻る時で、しっかり床を蹴って戻ること。太ももの前部や裏側に加えて、床を蹴って戻る時にお尻を覆っている大臀筋を鍛えることができる。バリエーションは、横に向かって踏み出すサイドランジ。向きを変えるだけで鍛えられる筋肉が変わる。

▲サイドランジ

Caution

前号のブルガリアンスクワットと同様、足を下ろした時にひざが外や内に曲がってはいけない。また、ひざを痛める可能性があるので、ひざがつま先より前に出るのもNGだ。

【Point】運動後は『リカバリー』を意識しよう!

トレーニング強度をどれだけ上げても、十分な栄養と休養がとれていなければ、パフォーマンスアップにはつながらない。運動直後30 分以内の栄養補給、7 時間以上の睡眠など、リカバリーを意識した過ごし方で、効率よくカラダを作っていこう。

※2019年10月10日発行「アスリート・ビジョン#15」掲載/この記事は取材時点での情報です。

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